ステンレス作業台の種類と選び方
ステンレス作業台とは
ステンレス作業台とは、錆や薬品に強いステンレス合金を素材とした作業台です。主に食品関連や医薬品関連、科学研究所といった施設で利用されています。
ステンレス作業台は、ステンレスの特性を活かして作られていますから、素材はある程度限定されます。一般的には、作業台としての機能であるタイプ、作業台の大きさ、作業面積にあたる天板、耐荷重などから選ぶことになります。
タイプから選ぶ
ステンレス作業台には、一箇所に設置して使用する固定式、キャスターなどが付けられ移動ができる移動式、作業台の高さが変更できる昇降式といったタイプがあります。
固定式
もっともオーソドックスなタイプです。一箇所に固定することで専用の作業台として使用します。食品加工場や中・大規模の研究施設では複数のステンレス作業台を連結して作業効率をアップさせます。
移動式
作業台の脚にキャスターなどが取り付けられ、自由に移動することができるタイプで汎用性が高いことが特徴です。ひとつの作業台を多目的に使用する必要がある工場や実験室などに利用されます。また、完成品などを運ぶワゴンとしても利用することが可能です。
昇降式
チルト機構やアジャスターによって、任意の位置に作業台を固定できるタイプです。精密な作業を必要とする実験室や医療関係の施設でも使用されています。
サイズから選ぶ
ステンレス作業台は、高さ、間口、奥行によって選ぶことができます。
高さは小さいもので185mm~450mmのものがありますが、任意で約800mmから1000mm前後まで、調整可能な作業台もあります。
間口は小さいもので450mm、大きいもので2000mmまで、奥行きは小さいもので450mm、大きいもので904mmくらいまで用意されています。
天板から選ぶ
ステンレス作業台の天板は、SUS304、SUS430、木材の中から選ぶことができます。木材といっても、表面はステンレス合金で、ステンレスかぶせになっています。
SUS304
ステンレス合金304は、オーステナイト系のステンレスで、スチールにクロムやニッケルなどを加えて作られています。非常に高い耐熱性、耐蝕性、強度を持っています。SUS430と違い、磁石に反応しません。ほとんどの特性でSUS430を上回っている高機能なステンレス合金ですが、反面コストも高くなっています。
SUS430
ステンレス合金430は、フェライト系のステンレスで、スチールにクロムのみを加えて作られています。高い耐熱性、耐蝕性、強度を持っていますがSUS304に比べると若干性能は劣ります。また、SUS304と違い磁石に反応します。
耐荷重から選ぶ
ステンレス作業台には、天板、棚板で耐荷重が異なります。
均等静止荷重により、「軽量」「中量」「重量」に分類されます。
【参考】作業台の均等荷重の見方
ステンレス作業台は、ステンレス合金の持つ特性を活かした作業台です。作業環境に合わせたサイズ、高さのものを選ぶことはもちろんですが、自社の行っている業務内容によっては、より高い耐性を持つSUS304が天板に使用されたステンレス作業台を選ぶ必要があります。