分割式ドライブシャフトブーツの特長
ドライブシャフトブーツとは
エンジンとタイヤを接続し、エンジンの回転するパワーをタイヤに伝えるパーツをドライブシャフトと呼び、このドライブシャフトを覆って保護しているのがドライブシャフトブーツです。多くはゴム製または樹脂製で、走行に伴って激しく振動・伸縮するパーツです。
そのため、自動車の経年によってしばしば劣化してしまいます。そのままにしておくとドライブシャフトブーツの破れや亀裂などが発生し、車検落ちの原因となるケースも少なくありません。したがって、ドライブシャフトブーツの定期的な点検・交換は自動車整備のきわめて重要なチェックポイントとなってきます。
非分割式/分割式ドライブシャフトブーツの違いとは
ドライブシャフトブーツには非分割式と分割式があります。両者の違いはどのようなものでしょうか。
分割式ドライブシャフトブーツの素材も非分割と同様、主にゴム製と樹脂製です。ゴム製のものは接合性に優れており、反面耐久性にやや劣ります。樹脂製はゴム製とは反対に、耐久性が高い反面、接合性でやや劣るのが特徴です。昨今では樹脂製が主流となってきています。
分割式ドライブシャフトブーツのおすすめポイント
分割式ドライブシャフトブーツにはどのようなメリットがあるのでしょうか。主なメリットをご紹介します。
まず、分割式ドライブシャフトブーツでは、作業が簡略化されるのが大きな利点です。ドライブシャフトを動かさないまま、ドライブシャフトブーツだけの取り外し・装着によって作業が完了します。
対して、非分割式ドライブシャフトブーツの交換は、ドライブシャフトを取り外してブーツの取り外しが必要で作業が大掛かりです。 そのため、脱着には従来60分から80分程度を要しましたが、分割式ドライブシャフトブーツであれば15分から30分ほどで作業が完了します。これが分割式ドライブシャフトブーツの最大のメリットです。
作業性の向上は費用の軽減に直接的につながります。非分割式ドライブシャフトブーツでは、取り外しに大変な手間を要するため、工賃込みで費用は増大しがちです。一方で、分割式ドライブシャフトブーツは短時間の軽作業で交換が可能なため、コスト面でも大きなメリットがあります。
分割式ドライブシャフトブーツは、パーツ本体にもともと切れ込みがあり、これを装着時に接着して使用します。そのため、分割式ドライブシャフトブーツは非分割式ドライブシャフトブーツに比べて耐久性が劣るというのが従来の定説でした。
しかしながら、昨今の非分割式ドライブシャフトブーツでは品質改良が進み、安全面においても非分割式に遜色のない商品が誕生しています。 たとえば、従来では分割式ドライブシャフトブーツの切れ込みの接着部の耐久性に難があるとされてきました。しかし、最近では切れ込み部分の素材を熱で溶かして接合する(溶着)ことで強固な接着を得るタイプの商品が販売されています。
また、切れ込み部分の形状にも工夫が凝らされているのも最近の特徴です。切れ込み端部にカエシが付いており、これをカチリと組み合わせることでよりしっかりと接合することができます。
分割式ドライブシャフトブーツは、従来は車検対策や応急処置的に使用されるケースが多く、恒常的に使用できる製品は限定的でした。しかし製品の安全性が向上したのに伴い、しっかりとした品質保証サービスの付帯した製品が増えてきています。
分割式ドライブシャフトブーツは、作業性や費用面などで大きなメリットをもつ画期的なパーツです。昨今では品質面でもめざましい向上が見られ、安心して使用できるものがたくさんありますので、それぞれを見比べてみるのもよいでしょう。