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コンパウンドの種類と選び方

車の表面についてしまった傷を消すために使用されるのがコンパウンドです。ついてしまった細かい傷の周辺を磨いてなだらかにすることで、目立ちにくくなります。一般家庭でもよく使用されていて、多くの種類が販売されています。コンパウンドの性質を知ることで、状況にあった正しいコンパウンドが選択できるようになるのです。

コンパウンドとは

コンパウンドという単語には、「化合物」、もしくは「混合物」といった意味があります。一般的にはペースト状になった、非常に細かい粒子の研磨剤でスポンジや布などに塗布して対象を擦るようにして使用します。車や製品の仕上げ工程などに使用する場合は、電動のポリッシャーなどを使い、貴金属や鏡といった細かなアイテムの磨き上げにはペンサンダーやリューターといったアイテムを使用します。

コンパウンドの原理を自動車に例えて説明すると、塗装の1番上のクリア層に付いた細かな傷の周辺を削ることで傷を目立たなくしているのです。つまり、クリア層の下にあるカラー塗装部分まで達するような傷の場合は、クリア層を突き抜けて研磨することになり、かえって見た目が悪くなってしまうこともあるのです。コンパウンドの目的は傷を埋めるのではなく、傷の周辺を削ることでなだらかにし、目立たなくすることなのです。

コンパウンドの種類と選び方

コンパウンドは使用目的に応じていろいろな種類が販売されています。

粒の細かさで選ぶ

他の研磨剤と同じように、研磨剤にも粒子の大きさによる違いがあります。紙やすりなどには、目の粗さを表す番手とよばれる分類方法がありますが、コンパウンドの場合は、もう少し大雑把な分け方がされています。

中目

紙やすりでは#800~#1000程度に該当します。研磨力が強いため作業効率は早いですが対象によっては磨き傷が残ってしまいます。自動車の場合でしたら広範囲の傷、塗装面にまで到達している傷などに適しています。研磨力を活かすために固めのバフに塗布して使用します。

細目

#1200~#1500程度の紙やすりに対応しており、粒子の大きさは9~20μです。自動車の場合、塗装肌の調整段階で使用されます。一般的に固めのウールバフで使用することが多いです。

極細目~超微粒子

#2000~#3000程度に該当します。粒子の直径は4~10μで仕上げにも十分使用することができます。中目や細目で付いた傷を消すこともできるため、柔らかめのウールやスポンジバフに塗布して使用します。

艶出し

#6000~#15000に該当します。#6000で2μ、#15000では0.3μと非常に細かな粒子で研磨というより艶出し・磨き上げに使用されます。柔らかいスポンジバフに塗布して使用します。

ペーストタイプと液体(リキッド)タイプで選ぶ

コンパウンドには、クリームのようなペースト状のものと、液体(リキッド)のものがあります。

画像名

ペーストタイプ

非常に粘度の高いコンパウンドで、チューブやボトルに詰めて販売されています。粘度が高いため横向き、上向きの研磨作業にも適していて使用する場所を選びません。反面、広がりづらく塗布面が広い場合などは磨きムラが生じる場合もあるのです。また、性質上、固まりやすく開封後の長期保存には向いていません。

液体(リキッド)タイプ

液体(リキッド)タイプ

やや粘度を持った液体状のコンパウンドです。広がりやすいため広い作業面でも均等に塗布しやすく、磨きムラも生じにくいことが特徴です。反面、ポリッシャーによっては薬剤が飛び散りやすく、使用には慣れも必要になってきます。また、液状のため乾燥に弱く、手早く作業しないと作業中に乾燥してしまうこともあります。

水性・油性で選ぶ

コンパウンドには、水性(水溶性)と油性の2種類があり、それぞれに特徴があります。

水性コンパウンド

油分も含まれていますが、界面活性剤を使用することで水の中に油が溶け込んでいます。一般的に油性コンパウンドよりも研磨力が高いですが、しっかり研磨しないと磨き残しが目立ちやすいという欠点があります。しかし、主成分が水なのでバフや車に付いた汚れも簡単に落とせるというメリットもあります。

油性コンパウンド

溶剤が含まれているため研磨漏れした部分でも傷が目立たなくなるというメリットがあります。しかし、これは研磨して消えたものではなく溶剤が傷を埋めることで一時的に目立たなくなっているだけなので、仕上げにシリコンオフなどを使うとかえって傷が目立ってしまうこともあるのです。

まとめ

コンパウンドで自動車を磨こうと考えるなら、1つのコンパウンドでは足りません。傷の深さに応じて粒子の違う数種類のコンパウンドが必要になるのです。また、研磨したい場所によっても使い分けが必要です。艶出し作業においては、手早く仕上げたい場合は、油性タイプ、しっかりと磨き上げたい場合は水性タイプを選ぶといいでしょう。