ポンプで使用する記号は、世界的な規格がないためにさまざまあります。また、ポンプで使用する単位は「SI単位」が世界的な標準なのですが、 実際には「CGS系単位」や「工学系単位」もまだ多く使われています。しかし単位はさまざまあっても、相互に換算が可能なので、 自分の必要な単位に換算しても、同じ数量であることに変わりはありません。

それではどのような単位が使われているのでしょうか。用語に対する単位を表2-2-1に示します。また、異なる単位同士の換算表を表2-2-2から表2-2-4に示します。

表2-2-1：ポンプで使用する主な単位

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表2-2-2：単位の換算－吐出し量

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表2-2-3：単位の換算－圧力

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表組

1 ft=0.304801m
1 rpm=1 min-1=0.0166667 s-1=0.0166667 1/s
1 g/cm³=1000 kg/m³
1 cSt=1 mm²/s=0.000001 m²/s
1 cP=0.001 Pa・s=0.001 N・s/m²
1 kg・m=7.233 LB・ft
1 kW=101.972 kg・m/s=0.238846 Kcal/s
cSt=cP/ρ(g/cm³)
tC =5/9 x (tF-32)  tC：℃、tF：°F
tC =tK-273.15  tC：℃、tK：K

ここで、これらの表からどのように換算するか、いくつか例を挙げてみます。

例1）ポンプの要項を次のように指定されました。

吐出し量Q=2000 L/min、全揚程H=110 m、回転速度N=2970 rpm

ポンプメーカのポンプ選定図から、ポンプのサイズを確認したいのですが、回転速度Nは2970 rpm、全揚程Hの単位は「m」、吐出し量の単位は「m³/h」になっていました。

そのため、ここでは吐出し量Qを換算する必要があります。吐出し量Qについて、表2-2-2の3段目から、1 L/min=0.06 m³/hです。したがって、吐出し量の単位を「L/min」から「m³/h」に換算するためには、吐出し量Q=2000 x 0.06=120 m³/hになります。

例2）ポンプの要項を次のように指定されました。

吐出し量Q=600 UGPM、全揚程H=200 ft、回転速度N=3560 rpm

吐出し量Qの単位を「m³/min」、全揚程Hの単位を「m」に換算してみましょう。

表2-2-2の4段目から、吐出し量Qについて、1 USGPM=0.00378543 m³/minです。したがって、吐出し量の単位を「USGPM」から「m³/min」に換算するためには、吐出し量Q=600 x 0.00378543=2.27 m³/minになります。

次に全揚程Hです。単位を「ft」から「m」に換算します。表2-2-4を見てください。1行目に、「1 ft=0.304801 m」とあるので、全揚程H=200 x 0.304801=61.0 mになります。

「USGPM」は「ユーエスガロンパーミニッツ」と読み、「米国の単位でgallons per minute」の意味です。

例3）ポンプの圧力を次のように指定されました。

吸込圧力Ps =40 kPaG、吐出し圧力Pd =2.2 MPaG

これらの圧力を単位「kg/cm2G」に換算してみましょう。表2-2-3の4段目および5段目から、圧力について、1 kPa=0.0101972 kg/cm²、1 MPa=10.1972 kg/cm²です。したがって、吸込圧力Psおよび吐出し圧力Pdは、吸込圧力Ps =40 x 0.0101972=0.41 kg/cm²G 吐出し圧力Pd =2.2 x 10.1972=22.4 kg/cm²Gになります。

例4）液温を150°Fと指定されました。

これは何℃になるのでしょうか。表2-2-4の中に、tC =5/9 x (tF-32) tC：℃、tF：°Fとあります。したがって、tC=5/9 x (150-32)=65.6 ℃になります。

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