ハンディライトの選び方と明るさの比較
ハンディライトの選び方
ハンディライトは製品によって「遠くまで照らせる」「電池の持ちが良い」など特性が異なります。そのため、機械を修理する時に手元だけ照らしたいのか、それとも夜間の見回りの際に広範囲を照らしたいのかなど、用途や目的によって最適なライトが変わってくるものです。
用途を明確にした上で、選定時には以下のポイントに注目してみましょう。
ハンディライトに使用される電池としては、アルカリ乾電池(単3あるいは単4)、リチウム電池(CR123)などが主流です。
- <アルカリ乾電池>
- メジャーで手に入りやすいため、防災用品としてハンディライトを用意しておきたい時におすすめです。比較的小型なので、本体も自然とコンパクトになります。単4電池は特に小型ですが、交換の頻度を少なくしたいなら単3電池の方が良いでしょう。
- メリット
- 安価、入手性が良い、小型
- デメリット
- 持ちがイマイチ、明るさに制限がある(本数に比例する)
- ちなみにエネループなどの充電式乾電池も使用可能ですが、電圧が低くライトによっては充分に性能を発揮できないこともあります。
- <リチウム電池>
- 電圧が高く、ハイパワーな電池です。高出力のライトによく使用されているため、より明るくしたい時に適しています。ただし一般的なリチウム電池は衝撃に弱くライトに適していないため、必ずCR123などライトに適したものを使用しましょう。
- メリット
- ハイパワーで長持ち、明るい、長期間保管が可能
- デメリット
- 高価、入手しにくい
- リチウム電池には、CR123の代替品としての充電池があります。ランニングコストの大幅カットが可能となりますが、電圧がより高く、対応できずに故障してしまうライトもあるので注意しましょう。
近年は、ワットに代わる明るさの指標として「ルーメン(LM)」「ルクス(Lx)」が使用されるようになりました。ルーメンとは「光の束」のことで、光源から光を放出する量を指します。ルクスとは1ルーメンの光が1m2に当たった時の明るさ、つまり実際に光が当たっている場所がどれくらい明るいかを指します。
ただし照明器具とは異なり、ハンディライトの場合は光が当たる場所の距離が一定ではありません。そのため、ルクスよりもルーメンの方が選定する際の目安となります。
- <ルーメンの値が大きいライト>
- ルーメンの値が大きなライトは、遠くまで照らしたい時に向いています。リフレクターという光学装置を使用することで、より遠くに光を飛ばすことが可能。また中心に光を集めたスポットタイプが良いのか、光を拡散して広範囲を照らすワイドタイプが良いのかといった照射パターンも選定のポイントです。
- ただし明るさ重視のライトは、手元を照らす作業には向いていません。リフレクターの大きなものほど一部分だけ極端に明るくなるため、作業が困難になります。
- <ルーメンの値が小さいライト>
- ルーメンの値がさほど大きくないライトは、近距離での作業に向いています。リフレクターの小さいもの、あるいはついていないものがおすすめです。自動車の修理など、手元での作業がしやすくなります。
- ただし遠くを照らすことには向いていないので、ルーメンの値が小さいものほど兼用は難しいでしょう。
明るさの比較
では、ハンディライトの光の放出量を示す「ルーメン(LM)」は、実際にどれほどの明るさなのでしょうか。
ライトから放出された光は、距離に比例して広がり、次第に少なくなっていきます。照射の対象物の色や配光角度によって肉眼での感じ方は異なりますが、比較画像をご紹介しますので、明るさを選定する際の目安にしてください。使用用途によって適した明るさを選びましょう。
- <消灯状態>
- 真っ暗で近距離の物もよく見えない状態です。
- <45LM>
- 自分の足元・手元をしっかり確認できます。また、やや先の視野を確保できる程度の明るさです。
- <200LM>
- 一般的な懐中電灯にも使用される明るさです。数十メートル先も確認できます。
- <400LM>
- 室内全体がハッキリと見渡せます。逆に手元は反射して見づらくなります。
- <800LM>
- ヘッドライトに近い明るさで、室内全体がかなり明るくなります。近距離の作業には向きません。
※一番奥の壁まで12m地点にて計測
※絞り値F2.8、シャッター速度1/6秒にて撮影
※比較にはGENTOS製ハンディライトを使用しています
※画像の明るさはあくまでも目安です。配光角度などにより明るさには違いが表れます。
また、フォーカスコントロール機能の有無によっても見え方が異なります。
- <スポット>
- 光を絞ることで、より遠くまで確認が可能です。対象のみをハッキリと浮かび上がらせます。
- <ワイド>
- 光を拡散させることで、広い範囲を照らします。距離は落ちますが、全体的な確認が可能です。
用途を確立し、使用シーンをイメージしながら選定することで、より使い勝手の良いハンディライトを選ぶことができます。明るさや電池のタイプはもちろん大きさや形状なども考慮しつつ、最適なものを探しましょう。