取手の種類と選び方
取手とは
通常、U字、もしくはコの字の形をした取付金具で、取り付けた機材などを動かしやすくするために用いられます。用途や対象物によってさまざまな形状のものが用意されているほか、動作、移動が前提となった機材、電化製品、収納用品といったほとんどの製品に取り付けられています。
取手には、さまざまな種類のものが用意されています。使い勝手はもちろんのこと、対象物によっても適切なものを選ぶ必要があるのです。また、形状や材質、取付タイプなどから選ぶことができます。
形状から選ぶ
取手には、いろいろな形状のものが用意されていますが、いずれも使用者が持ちやすい、操作しやすいといった観点からデザインされています。

角型
オーソドックスな取手で、事務机やキャビネットの引き出しはもちろん、一般の家具にも広く利用されています。引く、押す、どちらの動作にも対応した汎用性の高い取手です。

丸型
角型の角が丸く加工された取手です。デザイン的にすぐれていることから応接室などに設置されたサイドボードなどに適しています。

トランク取手
キャリーボックスや搬送用コンテナに使用される取手です。リング状の取手が可動式になっていて、通常、対象物の左右に取り付けます。使用しない時は、対象物に沿って垂れ下がりますので余分なスペースを取りません。比較的重量のある対象物にも使用できます。

回転取手
取手部分が回転し、本体に収納されるタイプの取手です。収納時は対象物と同じ高さになってしまうためスタッキングにもすぐれています。ただ、構造上、あまり重量のある対象物には使用できません。取手の出っ張りがじゃまになる可能性がある床下収納などに使用されます。

埋込取手
対象物にさぐりを形成するタイプの取手です。樹脂製のものが多く、引き出しや収納ケース、キャビネットの戸棚やロッカーの取手など広く採用されています。耐荷重はあまり高くはありません。
材質から選ぶ
取手は材質で選ぶこともできます。一般的な材質として、アルミ、スチール、ステンレス、亜鉛合金、樹脂といったものがあげられます。
アルミ
軽量で強度にすぐれた材質です。また錆にも強く加工しやすいといった特性を持つため水回りでの使用も問題ありません。
スチール
もっとも汎用性の高い材質で、加工しやすく熱変化に強いといった特性があります。反面、耐蝕性に問題があるため水回りや多湿の環境下では使用が難しいといった欠点があります。
ステンレス
耐蝕性にすぐれ、熱や低温にも高い耐性値を示す材質がステンレスです。強度的にも問題なく、100%リサイクルできることからいろいろな分野で注目されています。
亜鉛合金
長い歴史を持つ合金素材です。耐衝撃性にすぐれ振動を吸収するという特性があることから、精密機器や自動車のパーツなどにも広く利用されています。ステンレスやアルミに比べ、耐蝕性には難がありますので水回りの使用には適していません。
樹脂
ポリプロピレンやABSといった、いわゆるプラスチック素材です。軽くて強度があり耐水性、耐汚性、耐熱などにもすぐれ、さらに加工も容易です。デザイン的にも多様な種類のものが用意されています。
取付タイプから選ぶ
取手は取り付けタイプからも選ぶことができます。

裏ネジタイプ
取手の持ち手部分の根本に雌ネジが切られているタイプです。対象物の裏面からネジで固定します。

面付タイプ
取手と取付板が一体になっているタイプで、対象物の表面から取付板をネジで止め、取手を固定します。

落とし込みタイプ
回転式取手のように、使わない時は対象物の中に取手部分が収納されるタイプです。コの字型の取手の根本に出っ張りがあり、取手の取付金具に引っかかることで機能します。取手と取付板は通常ボルトなどで一体となっていて、取付いたボルトを面付タイプのようにネジ止めして固定します。主に上向きに開く扉などで使用されます。
取手は、業種に関わらずさまざまな事務所、現場、工場で使用されています。取手は交換、後付も容易ですから、目的に合った取手に付け替えることで作業効率が上がったり、安全性が高まったりといった効果も期待できるのです。