ハンマードリルの使い方
ハンマードリルとは(振動ドリルとの違い)
ハンマードリルとは、その名の通りハンマーのような打撃と、ドリルの回転を併用した働きを行う電動工具です。 コンクリートなど、単なる回転動では切削を行うことができない高硬度の対象物に対して、打撃を加えながら回転させることで加工を可能にします。また、ハンマードリルの動作は「回転&打撃」「回転のみ」「打撃のみ」の3種類から選択できます。「打撃のみ」のモードを使用すれば、コンクリートに対し大きな穴を開けることも可能です。
ハンマードリルは、同じく打撃と回転を併用した作業を行う「振動ドリル」とよく比較検討されます。両者の違いはどのようなものでしょうか?
比較的小型である振動ドリルは、電気ドリルとチャックが共通しており同規格のビットを使用することができます。一方でハンマードリルは電気ドリルとは全く別規格のチャックであり、ビットは専用のものを用意しなければなりません。
- ハンマードリル
- 振動ドリル
また、振動ドリルは、「回転&打撃」「回転のみ」の2種類の仕事を行うことができる工具です。打撃力はそれほど強くないため、手で押して掘り進める必要があります。 ハンマードリルなら、これらに加えて「打撃のみ」のモードも持っている上、打撃力が非常に強いので手で押す必要もありません。両者の能力は、振動ドリルの場合はコンクリートに対して径1cm程度、ハンマードリルなら径2~10cm程度まで可能です。
総合すると、振動ドリルは電動ドリルと共通のビットが使用できる軽作業用のツールです。一方でハンマードリルは専用ビットを必要とし、打撃のみでの使用も可能な重作業用のツールということになります。
ハンマードリルの使い方
ハンマードリルは非常にパワフルな工具であるため、事故を防いで安全に使用するためには正しい使用方法をよく把握しておくことが大切です。以下に使用方法をご紹介いたします。
ハンマードリルの加工対象物は、木材・コンクリート・鉄鋼など製品によってさまざまで、さらに材質によって穴あけ可能なサイズも決まっています。使用するハンマードリルで被切削物の切削が可能かどうか、仕様書などの記載を確認しましょう。
作業内容に応じてビットを選択し、電源を抜いた状態でビットの付け替えを行います。
粉塵や切削屑が飛び散るため、作業者は防護メガネ、マスク、作業用手袋などを着用します。
電源を入れ、ハンドルおよびサイドハンドルを両手でしっかりと保持した上で、動作を開始します。加工を行いたい箇所にビットの先端を当て、軸がズレることを防ぐため軽く押し当てるようにしながら掘り進めましょう。 ハンマードリルは振動ドリルと違い、打撃力が十分強力なので押し付ける力がごくわずかでも掘り進めることができます。強く押し当て過ぎると作業効率を下げてしまうので注意しましょう。
ハンマードリルによる穴あけやハツリの際には、切削屑や粉塵が大量に発生するものです。切削によって生じた穴の内部にこれらのごみが溜まり、徐々に切削の妨げとなっていきます。ハンマードリルの進みが悪くなったように感じたら一旦作業を止め、切削穴の内部を清掃しましょう。
作業を終えた直後のビット部分は熱を持っています。不用意に素手で触れると火傷を起こすおそれがあるため、作業後はしばらくハンマードリルを放置してビットを冷却してください。この時、誤作動を防ぐため作業が終わったらすぐに電源を抜いておきましょう。
ハンマードリルは力強い打撃力が魅力のパワフルな工具です。使いこなせれば作業の幅がぐっと広がります。安全に十分に留意しながら正しい使用方法でご活用ください。