溶接機の種類と作業時の注意点
溶接機の種類と特徴
半自動溶接とは、主に炭酸ガスを使用した溶接の事です。(Co2溶接ともいいます)溶接ワイヤの送給が自動で行なわれるため、片手でも比較的簡単に溶接ができるのが特徴です。初心者でも比較的使いやすい溶接機で、スムーズなアークスタートが可能です。DIYにはもちろんの事、自動車修理などの工業用としても活躍します。注意点としては、溶接部周辺に溶接金属(スパッタ)が飛散し付着するため、それを削り取るための手間がかかります。また、溶接機の使用に慣れていないと、溶接部内に空気穴が空きやすいというデメリットがあります。
溶接棒を使用するタイプの溶接機で、インバータ制御によって直流から交流の波形を作り出して溶接を行います。直流出力をデジタル制御することで、安定した出力を実現しています。小型タイプの溶接機も市販されているため、持ち運びしやすいのもメリットの一つです。
溶接棒を使用するタイプの溶接機で、内部構造がシンプルで壊れにくいのが特徴です。高性能なものもあり、家庭用というよりは産業用として多く用いられるタイプの溶接機です。
バッテリーを内蔵したアーク溶接器のことです。通常交流タイプの溶接機だと大きな電流をスムーズに立ち上げることは難しいのですが、バッテリー溶接機の場合は、一気に立ち上げることができるため溶接機としてはとても使いやすいところが特徴です。アークの出がよく、音も比較的小さい点も魅力です。
エンジンを使用するタイプの溶接機です。移動性が高く、電源を確保できない場所で使用できるのがメリットです。
溶接の専門用語:アークってなに?
さて、溶接機について詳しく解説しようとすると必ず出てくる用語があります。それは「アーク」です。初心者には聞き慣れない用語ですが、溶接をする上では必ず知っておかなければならない用語です。アークとは、気体放電現象のことで、溶接機に利用されている現象です。初心者向けに表現すると、いわゆるスパークしているような状態のことです。炭素やタングステンなどが接触している状態で電流を流し、その状態から電極を引き離すと、電極間にアークが発生します。その中心温度は、なんと16,000度にも達するため、この熱を利用して鉄を溶かし溶融させて部材を接合させます。アーク溶接器は、不安定なアーク放電を安定的に維持して溶接に利用するための装置なのです。

これだけは気をつけたい、溶接する際の注意点
溶接をする際に発生する溶接光は「紫外線」のため、裸眼で直視すると目を痛めてしまう危険性があります。そのため、溶接をする際には必ず遮光溶接面を着用するとともに、すべての作業工程において、金属片の飛び散りから目を保護するためにサングラスを着用するよう徹底しましょう。また、溶接作業中は火花が飛び散る危険性もありますので、それらの火が服などに燃え移らないよう、皮エプロンや皮手袋を着用するようにしましょう。なお、溶接をすると高温で蒸発した金属やフラックスが大気中で冷却されて「ヒューム」という人体にとても有害な粉塵を発生させるため、溶接を行なう際には作業場所を十分に換気しましょう。