ローラーの種類と使い方
ローラーの種類
ローラーの種類は、主にサイズによって分類されます。それぞれの特長を踏まえ、目的に適したローラーを使いましょう。
- ●レギュラーローラー
紙管内径は38mmです。昔からある定番のローラーで、幅広い現場で使用されています。長さサイズは基本的に9インチですが、様々なサイズがあるため適合するハンドルを選びましょう。大きめのサイズなので、障害物のない広い面積の塗装に適しています。
- ●ミドルローラー
紙管内径が26~27mmのものです。レギュラーとスモールの中間に位置するサイズで、広い面積も狭い場所も両方得意な万能タイプです。ハンドルはミドルローラー専用か、ミドル・スモール兼用を使用します。長さサイズは7インチが一般的です。
- ●スモールローラー
紙管内径15~16mmの、小口径形タイプです。長さサイズは主に4インチと小さく、小回りが利くため、窓やドア、スイッチ周りなどの入り組んだ場所や狭い面積の塗装に向いています。使用するハンドルはスモールローラー専用か、ミドル・スモール兼用です。
ローラーの生地の種類
ローラーに使われる生地は、その織り方から「ハイパイル」と「ウーブン」の2種類に大別されます。それぞれ特長が異なるので、目的に合わせて使い分けましょう。
- ●ハイパイル
「ループ状に編まれた裏地に繊維がV字型に引っ掛けられたタイプ。繊維は根元から枝分かれし、塗料含み・かぶりや吐出し性に優れている。一方、飛散性・仕上がりは劣ります。」 ニットのように複雑に絡んでいる綿状の織り方で、現在の主力です。塗料を含みやすく扱いやすいので、外壁の塗装に適しています。
- ●ウーブン
「格子状の織り裏地に繊維がW字型に織り込まれたタイプ。繊維は撚り糸状で塗料含みは少なめだが、空気の抜けが良く気泡が少ない。また繊維がしっかり織り込まれ、摩擦や引っ張りにも強いので高粘度塗料にも適する。」 生地の目から立ち上がっている糸を撚り合わせるという織り方です。毛が抜けにくく泡立たないので仕上がりが良く、内装の塗装に適しています。
- 1.準備
- ローラーをハンドルにセットします。ローラーがスムーズに回転することを確かめましょう。ローラーの余分な毛は、あらかじめ手で払っておきます。
- 2.塗料を含ませる
- 最初はたっぷりと塗料をローラーに含ませます。ハンドルにはなるべく付かないようにすることがポイントです。容器のフチやローラーネットでよくしごき、気泡を潰して、塗料をしっかりとローラーに馴染ませましょう。
- 3.最初は軽く押し当てる
- 最初はあまり力を入れずに対象に押し当て、ゆっくりと塗ります。塗る面とローラーの角度は45度が理想です。だんだんと塗料が少なくなっていくので、徐々に力を入れて塗っていきましょう。
- 4.「W」字が基本
- まずは「W」を書くように塗料を配りましょう。そして、端から塗料を伸ばすつもりで順番に縦に塗っていきます。
- 5.塗り接ぎは目立たない場所に
- 天井から床までなど、広い面積を塗る場合は塗り接ぎが必要になります。塗り接ぎ箇所は足元などの目立たない場所にし、目の高さにならないよう注意してください。また、高い場所を塗る時は、つぎ柄を利用しましょう。
- 6.中断する時は?
- 中断する場合や2回目の塗りに入る前は、ローラーをそのままにしておくと固まってしまいます。ビニール袋などに入れて密閉し、空気を抜いておきましょう。
使用後の手入れの仕方
塗装が完了した後、後始末をせずに放置しておくとローラーが痛み、寿命が早まります。きちんと手入れして、ローラーを長持ちさせましょう。
- 1.ヘラなどでざっくりと塗料を落とす
- 乾かないうちに、ローラーについている塗料をヘラなどでこそぎ落とします。
- 2.新聞紙などに擦りつけて塗料を落とす
- いらない紙や新聞紙などにローラーを使い、なるべく塗料を少なくします。
- 3.中性洗剤を使って水洗いする
- 水で下洗いをした後、中性洗剤を使ってよく洗います。洗剤が残らないよう、しっかりすすぎましょう。
- 4.よく乾かす
- ローラーを陰干ししてしっかり乾かした後、湿気のない場所に保管してください。
塗装は目に触れやすい部分であり、技術が求められる作業です。目的にあったローラーを使うことで、ワンランク上の仕上がりを手に入れることができるでしょう。使い方のコツをマスターし、ムラなく美しい塗装を実現してください。