パワーステアリングシステムの特長と点検方法
電動パワーステアリングシステムとは
電動パワーステアリングシステムはEPSと略されて呼ばれます。電動パワーステアリングには、コラムアシスト式、ピニオンアシスト式、ラックアシスト式の3種類あります。
コラムアシスト式は、ステアリングホイールとギアボックスを繋いでいるステアリングコラムをアシストします。コラムアシスト式は大きな力を出すことができないため、小型自動車に向いています。モーターの騒音が社内に伝わりやすい点がデメリットです。
ピニオンアシスト式は、ステアリングギアボックスのピニオンギアシャフトをアシストします。汎用モーターを使用することができるため、コストを安く抑えることができるのがメリットです。しかし、ピニオン付近は部品の数が多いため設置個所に余裕がないことが多く、ギヤ部分をコンパクトに作成する必要があります。
ラックアシスト式はラックの往復運動を補助する役割があり、大きなアシスト力を実現することができます。しかし構造が大きい、部品が増えるというデメリットがあり、大型自動車に採用されるのが一般的です。
油圧パワーステアリングシステムとは
油圧パワーステアリングシステムはエンジンの力でポンプを作動し、そこで発生した油圧の力を使って補助を行います。ポンプはエンジンによって駆動されているため、エンジンに負担がかかり、エネルギーを無駄に消費してしまうというデメリットがあります。 また、ハイブリッド車のEVモードやアイドリングストップの状態では使用できません。
メリットは、操舵の慣性が小さいため操舵フィーリングが良い点で、高級車などで採用されることがあります。
パワーステアリングの点検方法
もしパワーステアリングシステムが故障しても、車は走行できます。しかしハンドルが重くなるためカーブを曲がる際に曲がりきれず、車をぶつけてしまう可能性があるため、定期的に点検するようにしましょう。
電動パワーステアリングはハンドル操作の点検を行うだけでOKです。平坦な場所で直進走行し、左右にハンドルがとられないか、またハンドルを回した時に、スムーズに回すことができるか確認しましょう。