カーバッテリーのメンテナンス
カーバッテリーメンテナンスについて
カーバッテリーメンテナンスはまず液量のチェックからはじめましょう。バッテリーは内部の電極とバッテリー液が化学反応することで、充電と 放電を行います。蒸発等、バッテリー液が規定の量よりも少なくなってしまうと液と電極のふれあう面積が減少して、バッテリーの容量が減ってしまいます。さらに、バッテリーの液量が減ると電極の一部が空気中に出ます。この状態が継続すると、電極にサルフェーションと言う現象がおこりバッテリー性能が極端に低下するとともに、液を補充しても元に戻りません。こまめにバッテリー液を補充するれば、バッテリーの寿命も伸びます。液量の点検はとても簡単です。バッテリーの側面にある、上限目盛りと下限目盛りの2本の目盛りの間に液面があれば適量です。バッテリー内は6つの部屋にわかれているので、全ての部屋を確認してください。1ヶ月に1回は点検するようにしてください。
また、バッテリー液が減ってきた際は、補充が必要です。バッテリーの液注入口のキャップをあけ、6個全ての部屋の上限目盛りまでバッテリー補助液を入れてください。下限目盛りを下回っていなくとも、可能な限り、上限目盛り近くまで補充してください。注入口のキャップは、突起があるタイプと、平坦なタイプが有りますが、突起があるタイプは、プライヤーを使用、あるいは直接手で開閉します。平坦なタイプは、コインを使用し開閉してください。

図1 バッテリー液量の見方
バッテリー液の比重測定を行うには
バッテリーの充電状態を確認するには、ノーマルバッテリーの場合、比重を測定することで確認出来ます。比重計があれば大変簡単に測定出来ますので、用意しましょう。比重の測定の仕方は、バッテリー上部にある、液注入口のキャップを外し、比重計の先端を挿入します。この時に比重計のゴム部分を軽く押し吸える状態にしておきます。中まで比重計を挿入出来れば、スポイトの様にゴム部分の力を弱め、液を抽出します。抽出した液が比重計を垂直にして水面がどの位置に来ているか目盛を読みます。測定結果が1.280以上であれば良好です。

図2 バッテリーテスター(比重計)
バッテリーの電圧測定の原理
バッテリーは、液の比重測定と同様に、電圧を測定することで充電状態を確認することが可能です。比重が確認出来ないMFバッテリー(メンテナンスフリーバッテリー)では、電圧測定が最適です。電圧測定にはサーキットテスターを準備します。電圧の測定は配線の端子を外しておこなうのがベストです。エンジンが停止状態で、12.5V以下だとバッテリーの状態はよくありません。充電器があるのであれば、補充を行いましょう。充電器がない場合、長距離を走り、再度測定してみてください。それでも、電圧が上がっていなければ交換を考えましょう。
高性能 充電制御車対応メンテナンスフリーバッテリー(シールド型)
また、現在ではシガーソケットに指しているだけでバッテリーの状態を計測できるバッテリーチェッカーも存在します。走行中ではなく、始動前にキーがONの位置で確認しますが、この状態で性状と表示されなければ、バッテリーのメンテナンスが必要となります。

図3 サーキットテスター
バッテリー端子&本体の固定チェックの仕方
バッテリーは本体のプラスとマイナスのターミナルに、車両側の配線コードが備えられた端子が接続され、充電や放電が行われます。この端子が緩んでいると電気の流れは悪くなります。もし、走行時に外れれば充電ができなくなります。ですので、バッテリーの液量点検時に同時に端子が確実に固定されているか確認しましょう。
確認の仕方は、マイナス端子もプラス端子も作業は同じです。必ず金属部分を持って端子を左右に動かしたり上に引っ張ったりします。端子が動くようなら、動かくなるまでスパナでナットを締め上げます。続いてバッテリー本体に関してですが、本体が確実に固定されていないのは大変危険で、バッテリーが倒れたり、液漏れしたりする場合があります。バッテリーは、ステーと呼ばれるパーツで固定されています。ステーは、バッテリーを上から押さえつける金属と、ボディーと連結する2本の金属棒で構成されています。まれに、金属棒が一本で、金具の反対側が直接ボディに固定されるタイプも有ります。ステーはナットの締めすぎに注意しながら、がたつかない程度に締め込んでいきます。
バッテリーターミナルや配線コードの端子は錆びたり腐食することがあります。見た目が綺麗でも一年に1度はクリーニングをしたほうがよいです。マイナス端子、プラス端子の順に外し、紙やすりでターミナルの端子とふれあう部分を軽く磨きます。汚れがひどい場合はワイヤーブラシで清掃してから行ってください。そしてグリスをターミナルに塗り保護します。

図4 バッテリーを固定するステー
バッテリーの補充電を行うには
バッテリーの比重や電圧の測定によって充電状態が良くなければ、補充電を行います。バッテリーの充電は、ガソリンスタンドなどの急速充電ではバッテリーの負荷が大きくバッテリーを痛めてしまいます。補充電の場合、弱い電流で行うことにより、最低でも数時間から場合によっては1日かかることもありますが、バッテリーには負荷がかかりません。補充電を行うには、バッテリーを取り出してください。車載の状態では補充電はしない様に注意が必要です。水素ガスがスムーズに抜けるよう、全ての注入口を開けます。充電器のクリップは黒コードはマイナス側、赤コードはプラス側にはめます。付属の説明書を確認し、充電装置を起動します。設定の時間がたてば、充電器の電源を切りバッテリーからケーブルを外してください。充電をしても、バッテリーが回復しない場合は、バッテリーの寿命ですので交換が必要です。

図5 バッテリー充電器
バッテリーの交換方法
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