バイクチェーンの種類とメンテナンス方法
ドライブチェーンとは
ドライブチェーンとはバイクのチェーンのことで、エンジンからスプロケットと言われる歯車を通じて後輪タイヤに動力を伝えるための重要な役割をもっています。外プレートと内プレートをブッシュで覆われたピンで止めています。走行しているうちに劣化をするので、定期的なメンテナンスや交換をする必要があり、消耗品だといえます。チェーンには大きく分けてシールチェーンとノンシールチェーンとチェーンがあります。
チェーンの種類と特長
スタンダードチェーンは価格が安く費用を抑えたい人に向いています。1,000円程度で販売されていることが多く、消耗品として使えます。ただ、ヘビーデューティチェーンに比べ強度や耐久性が劣り、レース走行用バイクには向きません。
ヘビーデューティチェーンはスタンダードチェーンよりも強度や耐久性があり、性能がいい上位版だといえます。ヘビーデューティチェーンはシールチェーンとノンシールチェーンの2種類あります。
シールチェーンとノンシールチェーンの違い
シールチェーンは、チェーンの伸びを防止するためチェーンのピンとブッシュの間にグリースを注入し、シーリングで密閉したドライブチェーンです。ピンとブッシュの間の摩擦が少なることで、強度と耐久度が飛躍的に向上します。ノンシールチェーンに比べ、価格が高くなることと、重量が増すことがデメリットですが、メンテナンスや交換の頻度は少なくなります。交換目安は走行距離20,000キロ前後です。
ノンシールチェーンは、シールチェーンのようにグリースがチェーンに注入されていません。価格は安く、重量も軽いメリットがあります。ただし、シールチェーンに比べ、強度や耐久性が低いため、メンテナンスや交換の頻度が多くなります。交換目安は走行距離5,000キロ前後となります。

シールチェーン | ノンシールチェーン | |
---|---|---|
メリット | ・高寿命 ・チェーン調整の頻度が低い ・劣化による馬力ロスが出にくい |
・軽量で総幅が狭い ・シールチェーンに比べて安価 |
デメリット | ・ノンシールチェーンに比べ高価 ・シールした分、重量が重くなる |
・寿命が短い・調整の頻度が高い ・劣化と共に馬力ロスが大きくなる |
交換目安 | 約20,000km前後 | 約5,000km前後 |
車種により条件が異なりますので、必ず車種適合表標記通りにチェーンを選定してください。
チェーンのメンテナンス方法
バイクのチェーンであるドライブチェーンは、バイクを走行していくうちに徐々に緩みやたわみが出てきます。
メンテナンスの目安は500km走行ごと、また雨天時に走行した場合にはチェーンのオイルが流れますので、走行後には必ずメンテナンスするようにしましょう。
まずメンテナンスを始める前に準備として、必要な道具類を揃えておきます。
- チェーンクリーナー(専用のクリーナー)
- チェーンルブ(専用チェーン油)
- 段ボール紙または新聞紙(汚れが飛び散らないように)
- ウエス(ふき取るためのいらないタオルなど)
- 柔らかいブラシ(使い古した歯ブラシなど)
- ソケットレンチ類(カバーを外す場合)
- ゴム手袋(手を汚さないため)
チェーンのメンテナンスをする時は、チェーンの歯車部分であるスプロケットや周辺もついでに洗浄しておくといいでしょう。カバーを外してから、段ボール紙や新聞で汚れが飛び散らないようカバーをし、クリーナーをかけてブラシで汚れカスを取ってください。ウエスでふき取ることも忘れないようにしましょう。
次にチェーンの洗浄ですが、要領は同じです。クリーナーを全体にかけブラシで汚れを落とし、ウエスでふき取ります。汚れを吹き落とした後は、チェーンに注油をします。外プレートと内プレートの間、内プレートとローラーの間、それが外側と内側あり合計で4か所にチェーンルブをしっかり注油して下さい。注油が全体にできたら、後輪タイヤを動かして馴染ませます。その後、余分な油をふき取って終わりです。

※同様に右側にも注油してください。
最後にホイールやタイヤをきれいにふき取り、スプロケットのカバーなどを取り付けて終わりです。メンテナンスが終わったらチェーンルブを落ち着かせるため、最低でも半日おいてから走行するようしましょう。バイクのドライブチェーンは、バイクが走行するために必要な主要部です。ただ、走行するたびに劣化していく消耗品であるため、普段からメンテナンスを心がけ、バイクを大切にして下さい。