ベアリングの選定方法と使用ポイント
回転や往復運動をする機械の荷重を支えるために欠かせない部品であるベアリング。ベアリングを正しく利用するためには、正しい製品を選定する必要があります。ここでは、ベアリング選定の際に役立つ選定方法や、使用上の注意点をご紹介します。
ボールベアリングの選定方法
ボールベアリング(深溝玉軸受)の選定には、いくつかのポイントがありますので、順を追って解説します。
1.主なボールベアリングの種類を確認する
主なボールベアリングの種類には、「鋼板シールド形」「オープン形」「接触ゴムシール形(主に赤色)」「非接触ゴムシール形(黒色)」があります。
- 鋼板シールド形
- オープン形
- 接触ゴムシール形(主に赤色)
- 非接触ゴムシール形(黒色)
特徴から種類を見分ける方法は、次の通りです。
- 両側とも鋼板(材質)でシールド(塞がれて)されている:両側鋼板シールド形
- 片側が鋼板シールされており、もう片側は保持器が見えている:片側シールド形
- 両側とも保持器が見えている:オープン形・開放形
- 両側とも外輪・内輪とは異なる色でシールされている:両側接触ゴムシール形・両側非接触ゴムシール形
これらの特徴をチェックしながら、ボールベアリングの種類を確認しましょう。
2.品番を確認する
シール部分(鋼板シールド形の場合)や外輪(オープン形の場合)の4桁番号+アルファベットを確認することにより品番特定が可能です。(両側シールド形、両側ゴムシール形の場合は、片側ずつに6204Z、6204LUなどが刻印されています)品番の確認方法については、後述します。
3.品番が目見で確認できない場合、寸法で確認する
品番が目見で確認できない場合は、寸法によって種類を確認する必要があります。
ベアリングはJISの規格によってサイズが決まっています。そのため、mm単位の数字が分かれば品番の選定が可能です。外側の円の直径、内側の穴の直径をノギスで確認しましょう。
この場合、下記赤枠部分の商品が該当商品となります。
※型番について詳しくは、「ベアリング呼び番号の見方」をご覧下さい。
※上記記載のボールベアリングは代表的なものになります。すき間・グリス指定品などは、別途確認が必要です。
ボールベアリングを使用する際のポイント
ベアリングを使用する際には、いくつかのポイントがあります。
- ベアリングを取り付ける際は、動いたり外れたりしないようしっかりと注意する。
- 転がり軸受は内輪と外輪によって構成されています。一般的に外輪が他の部品に固定され、内輪と軸が回転する仕組みになっていますが、回転部品が外輪と接触してしまうと、軸受は正常に機能しないため、軸に取り付ける回転部品は、常に内輪だけと接触するようにします。
- 大きな荷重を支える場合、潤滑が必要になります。潤滑油やグリースなどを使用するか、またはグリースが封入されたシールド形軸受を使用しましょう。