エアコン洗浄剤の種類と掃除の仕方
エアコン洗浄剤の種類(中性、アルカリ性、酸性)
エアコン洗浄剤はアルカリ性、中性、酸性の3つの種類に大別できます。エアコン洗浄の際には、適切な洗浄剤を選択することが作業の簡便化や仕上がりの美しさにつながるものです。それぞれの洗浄剤の特徴や適用範囲をご紹介しますので、洗浄剤選びの際にお役立てください。

中性エアコン洗浄剤
薬液が中性の性質を持った洗浄剤です。界面活性成分が汚れを浮き上がらせて落とします。中性で、金属への腐食の影響も小さく、中和剤も必要ないため、幅広い範囲で手軽に使用できるのが特長です。ただし、泡立ちがあるため水で洗い流す作業が必須となります。
ホコリや粉塵などに対して効果を発揮するため、一般的な事務所・事業所のエアコンに適しています。

アルカリ性エアコン洗浄剤
アルカリ性の性質を持った洗浄剤で、化学変化によって頑固な汚れも効果的に除去できます。アルカリ性である性質上、アルミ・すず・亜鉛などの金属腐食のおそれ、および皮膚に付着した際の薬品やけどのおそれがあるため、使用の際は手袋などの保護具を着用し、エアコンの金属部分に薬液が触れないように注意してください。
油汚れ、ヤニなどの頑固な汚れに対して効力を発揮するため、工場、厨房など汚れ強度の高い場所のエアコンの洗浄にも使用可能です。

酸性エアコン洗浄剤
酸性の性質をもつ洗浄剤で、アルカリ性洗浄剤の成分の中和処理に使用します。また、シリカやカルシウムなどの堆積汚れにも効果的です。
鉄・銅・アルミ等の金属への腐食作用があるため、アルカリ性洗浄剤と同様、使用の際には金属への付着、素肌への付着に注意してください。
種類 | 中性 | アルカリ | 酸性 |
---|---|---|---|
用途 | ほこりや粉じん汚れの除去 | 油やヤニなどの除去 | シリカやカルシウムの除去 |
特長 | ・界面活性剤が汚れを浮き上がらせて汚れをはく離。 ・金属の腐食は少ない。 ・泡立つので水洗いが必要。 |
・化学変化で汚れを壊し洗浄。 ・アルミ・スズ・亜鉛等の金属を腐食させる。 ・皮膚などに付着すると薬品やけどをおこす。 |
・アルカリ洗浄剤の 中和処理に利用。 ・鉄・銅・アルミ等の 金属を腐食させる。 |
中和の必要性 | 不要 | 必要 | 必要 |
掃除の仕方
エアコン洗浄は、正しい手順で行わないと洗い残しが発生し、エアコンの部品の腐食やカビの原因にもなります。効果的なエアコン洗浄の方法を、ポイントを絞ってご紹介しましょう。

下準備
エアコンの周囲の壁や床をシート等で覆って養生します。

ホコリの除去
サッと拭くだけで取れるホコリなどは、エアコンの内部・外部共に大まかに除去しておきます。フィルターを取り外し、掃除機で吸引して大まかにホコリを取り除いてください。ホコリが多量に付着したまま洗浄剤を使用すると、ホコリが濡れて目詰まりを起こすことがあるので注意しましょう。フィルターに掃除機をかける際は、汚れの著しい外側が先、次に内側の順とすると効率的にホコリが除去できます。

洗浄
フィルターを洗浄剤で水洗いします。洗浄液を使用する際は、フィルターを傷つけない柔らかいスポンジやブラシで軽くこすりましょう。洗浄液の希釈倍率や使用温度については、必ず使用する洗浄液に記載された方法に従ってください。
パネル・送風口も同様に、水拭きか洗浄液を付けた水拭きで清掃します。このとき、各種センサーや電装部品など水濡れ厳禁の部分に水分を付着させてはいけません。また、いずれの部位にも水分や洗浄成分の残存がないよう注意してください。

洗浄液の中和処理
アルカリ性または酸性の洗浄液を使用した場合は、所定の方法に従って中和処理を行ってください。洗浄時の廃液は産業廃棄物であり、特に強酸性・強アルカリ性の洗浄廃液は特定管理産業廃棄物にあたるため、確実に中和処理を行う必要があります。

乾燥
洗浄した部位をしっかりと乾拭きし、フィルター等の取り外し可能なパーツは日陰干しします。さらに、仕上げに送風モードで30分ほど運転して全体を乾燥させるとよいでしょう。しっかり乾いていないとカビの発生の元となるため、確実に乾燥を行ってください。
使用環境によって、エアコンの汚れの成分・強度は千差万別です。汚れの状況に見合った適切な洗浄剤を用い、正しい方法で洗浄することで効果的に清掃が行えます。