UPS選定ガイド
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UPSを導入したいと考えている方
こんな悩みはないですか? - UPSの基本的なことがわからない
- UPSをどうやって選んだらよいのかわからない。

UPSの基礎知識から選び方までを
わかりやすく紹介します!
UPSの基礎知識
UPSとは?必要性や仕組みと使い方
UPSとは?必要性と仕組み
UPSとは、「Uninterruptible Power Supply」の略で、日本語では「無停電電源装置」と訳します。 UPSは、停電などの電源障害が発生した際に安全に機器をシャットダウンするためのバックアップ電源を供給し、 コンピューターなどの機器のデータ損失やハードディスクの破損を防ぐ装置です。
UPSはPCやサーバー、FA・産業機器など止めていけいない重要な電子機器のバッテリーの代わりになります。 UPSが電気を供給し、電源のバックアップを行います。

UPSの使い方と注意点
UPSは、基本的に電源と接続機器の間に設置するだけで問題なく、急な停電が発生した際にUPSのバッテリーから接続機器に電力が供給されます。 ただし、UPSには使用上の注意がいくつかあるので押さえておきましょう。
- UPSには耐用年数があります。
- 設置場所は直射日光が当たる場所や湿度・温度の高い場所は避け、ほこりの多い場所には設置してはいけません。
- アースを確実に取り付ける必要があります。アースを取り付けない場合に故障・漏電の際に感電、ノイズ混入の原因となります。

UPSを接続機器(負荷機器)に接続します。また、データ回線は回線サージ保護ポートに接続します。
UPSについて知っておくべき6事項
1運転方式
UPSの運転方式は、主に常時商用方式(オフライン) 、ラインインタラクティブ方式、常時インバーター方式(オンライン)の3つがあります。 UPSの3つの運転方式の違いは、「UPSの種類と特徴」にて詳しく説明します。

2出力波形
UPSの出力波形は、正弦波と矩形波の2種類があります。
普通の家電機器なら矩形波でも問題なく使えますが、PFC電源(Power FactorCorrection=力率改善回路)を採用したサーバー、PC等のIT機器向けには、商用電源と同じ正弦波出力のUPSが必要です。

3容量(VA/W)と力率
容量とは、UPSから出力(供給)できる電力のことです。
- 消費電力(W):
- 機器を稼働させるために必要な電力で、皮相電力 (VA)x力率で計算されます。
- 皮相電力(VA):
- 入力電圧と電流値の積であり、消費電力 (W) ÷力率で計算されます。
- 力率:
- 供給された電力のうち、有効に電力を使用できる割合のことです。力率の数値は高いほうが実際使える有効電力が高いことを意味します。

4電源管理ソフトウェア
UPSには電源管理ソフトウェアというものがあり、万一の電源障害時、PC・サーバーを安全に自動シャットダウンするためのソフトウエアです。電源保護対象のPC・サーバーにインストールし、機器の正しい手順によるシャットダウンや、UPSの状態管理といった機能を備えています。

5ネットワーク対応
ネットワーク対応のUPSは、通常USB通信やシリアル通信で接続機器と物理的に接続することに加えて、ネットワークベースで接続し、リモートで監視及び制御することが可能になります。

6設置形態
UPSは、タワー型(据え置き)、ラックマウント型(縦置き)、タワー・ラックマウント両用型の3種類あります。
設置環境と使用方法に応じてUPSを選定してください。

UPSの種類と特徴
常時商用給電方式 | ラインインタラクテイプ方式 | 常時インバーター方式 | |
方式の 説明 |
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通常時には商用電源をサージ保護およびノイズフィルタを通して出力し、電源障害時にはバッテリから出力する方式です。
商用電源停止時バッテリ切替時問は5~10ミリ秒程度です。 |
500~3000VA出力領域の UPSにおいて、最も一般的な方式です。 通常は、サージ保護回路、ノイズフィルタを通してサージ、ノイズを除去し出力します。基本構造は常時商用給電方式と同じですが、AVR(自動電圧調整)機能が付加されており、 不安定な電源環境においても自動的に電圧を調整し、バッテリを使用することなく適切な電圧を提供します。 電源障害時にはバッテリから出力する方式であり、バッテリ給電の際はDC→ACとしてインバータを常に介していることで、バッテリへの切替時間は2〜10ミリ秒と短くなっています。 |
3000VAを超える出力において最も一般的で、高い信頼性を求められるシステムの電源保護に最適な方式です。 常にインバーターを経由して出力しているため、通常時とバッテリ稼動時の切り替え時間がゼロです。 また、インバーターで一度交流電流を直流に変え、さらにインバーターを通すことにより交流に戻す方式 (交流→直流→交流)を取っているため、ノイズが流れにくくなります。 |
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特徴 |
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推奨使 用環境 |
一般家庭のように電圧変動要因が比較的少なく、電圧、⼊⼒波形が安定した環境での停電、雷サージ保護の使⽤に向いています。 | データセンターやオフィス,店舗の業務用途,一般家庭など場所を選ばず、電源障害から保護します。 | サーバールーム、オフィス、店舗、公共施設、データセンター等、使用場所を選びません。 |
推奨 接続器 |
ストレージ、スイッチ、ルーター、Wifiアクセスポイント、セキュリティーカメラ等 | サーバー、デスクトップPC、NAS、ネットワーク機器等 | サーバー、ストレージ、ネットワーク機器、製造/産業用PC等 |
商品例 |
商品ラインナップ
UPS選定の基本
UPSを選定する場合にどの動作方式の UPSを選定して頂いても問題はないと考えられますが、 シビアな入力電源仕様を要求する機器の場合(停電時のバッテリ切換時間の瞬停が許されない、 コンピュータメーカーが正弦波出力のUPSを推奨している等)や、 電源状態が非常に不安定な設置場所で使用する場合においては、負荷機器の仕様や設置場所の環境をよく検討していただく必要があります。
UPS選定フローは以下となります。
- STEP1:
- バックアップする機器の選定からUPSの方式の決定
- STEP2:
- バックアップする機器の容量算出、UPSの諸条件確認
(電圧、入出力形状、設置形態、ネットワークなど) - STEP3:
- UPSの出力容量とバックアップ時間を確認
詳細は後述のUPS選定のフローにてご確認ください。
種類 | 例 |
---|---|
接続機器の種類 | サーバー、ネットワーク |
接続機器の台数 | 3台 |
接続機器の合計消費電力 | 700W |
必要なバックアップ時間 | 5分 |
入力電圧(商用電源) | 100V or 200V |
設置形態 | タワー型 or ラックマウント型 |
ネットワーク | ネットワーク監視 |
シャットダウンソフト (サーバー・PC機器用) |
サーバー・PCのOSや仕様 |
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常時インバーター方式
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ラインインタラクティブ方式
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常時商用給電方式
(正弦波) -
常時商用給電方式
(矩形波)
ご使用されるすべての機器の電源容量をご確認ください。
出力容量はVA(ボルトアンペア)、W(ワット)、A(アンペア)などで機器の側面や仕様書に表記されています。
それぞれ単位が異なる場合、下記参考に算出いただき、総容量を満たすUPSをご選択ください。
電源容量の計算方法 | ||||||
---|---|---|---|---|---|---|
機器の表示はVAの場合 | 機器の表示はWの場合 | 機器の表示がAの場合 | ||||
VA総容量 | = | そのまま足す | + | W÷カ率 | + | (A×電源電圧) |
W総容量 | = | VA×カ率電 | + | そのまま足す | + | (A ×電源電圧)×力率 |
※上記は、あくまで参考計算方法となります。容量は再度ご確認いただきますようお願いいたします。
停電時や災害時など予期せぬ電源異常に備えることがUPSでは重要になります。
そのため必要となるバックアップ時間のご設定をお願いいたします。
また、バッテリーの経年劣化などから、バックアップ時間が低減していきますので設定されたバックアップ時間の約2倍以上を確保できるUPSをおすすめします。

電源容量と同じく、UPSの電源タイプ(コンセント数)のご確認をお願いいたします。
また上記のバックアップ時間はあくまで目安ですので、お客様の使用状況などによって大きく変動します。
使用環境別のオススメのUPS
接続機器例:サーバー、NAS・ストレージ、デスクトップPC、モニター等。
適用UPS:PFC電源搭載のサーバー、PC、NASに対応する正弦波出力のUPSをお勧めします。
UPSの安全リモート監視と制御を実現したい場合、ネットワークを介して、管理できる拡張性のある高性能UPSをお勧めします。
APC(シュナイダーエレクトリック)
無停電電源装置 ラインインタラクティブ給電 長寿命バッテリー
世界中で最も普及しているUPSです。正弦波 2年保証 UPS SMT750J。
63,980
70,378
APC(シュナイダーエレクトリック)
無停電電源装置 UPS ラインインタラクティブ給電 長寿命バッテリー 正弦波 3年保証 BR1000S-JP
正弦波出力で自動電圧調整機能搭載、 サージから電子機器を守ります。
43,980
48,378
接続機器例:産業用コンピューター(IPC)/ コントローラー、制御盤等
適用UPS:限られるスペースに設置可能、ランニング費用を押えられるかつ厳しい温度環境でも使えるリチウムイオンバッテリー搭載のUPSをお勧めします。
接続機器例:デスクトップPC、NAS、ストレージ、モニター、ネットワーク機器等
適用UPS:PFC電源搭載のサーバー、PC、NASに対応する正弦波出力のUPSをお勧めします。
APC(シュナイダーエレクトリック)
無停電電源装置 ラインインタラクティブ給電 長寿命バッテリー
エントリーNAS、POSシステムなどにおすすめ。正弦波 3年保証 UPS BR550S-JP。
23,980
26,378
APC(シュナイダーエレクトリック)
無停電電源装置 UPS 常時商用給電 長寿命バッテリー 矩形波 3年保証 BE550M1-JP
常時商用給電方式で矩形波出力。小型かつ軽量で汎用性の高いUPSです。
19,980
21,978
接続機器例:録画機能付きテレビ、セキュリティーカメラ等のデジタル機器、WIFIルーター等のネットワーク機器、やPOSレジ、決済端末等の電子決済機器。
適用UPS:常時商用方式のUPS。小型かつ安価でありながら、ブレーカーが落ちるなど万一の際に、機器を異常シャットダウンから守るという限定的な用途に最適です。
APC(シュナイダーエレクトリック)
無停電電源装置 UPS ラインインタラクティブ給電 長寿命バッテリー
省エネルギーでエントリー機種としておすすめ。正弦波 3年保証 BR400S-JP。
21,980
24,178
UPSのQ&A
- UPSの耐用年数は?
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UPS本体の耐用年数は日本電機工業会の指針より5〜6年と定義されております。
該当製品に耐用年数の記載がない場合は、5~6年を目安にUPSの交換を推奨します。 - バッテリーを定期的に交換する必要がありますか。
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予防保全のためにも、UPSのバッテリーは必ず定期的に交換してください。
UPSではバッテリーを使用しています。バッテリーには寿命があり、寿命を越えた状態で使用された場合、思わぬ障害を発生させる原因となります。
バッテリーは充放電回数や周辺温度により寿命は変化します。一般的な鉛バッテリーの交換目安は3~5年です。 - 交換バッテリーに、純正品を選ぶメリットは何ですか?
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非純正バッテリーを使用した場合、メーカーの製品サポートを受けられないことが挙げられます。ほかに、品質、安全性においては純正バッテリーはUPS本体により設計されているので、純正品のご使用をお勧めします。
※純正のバッテリーは各商品ページの「専用部品(オプション)」にあります。 - 電源管理ソフトウェアは何に使いますか?
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電源障害が発生した際、ハード機器を正しい手順で自動シャットダウンする電源管理ソフトウェアです。また、導入することにより、スケジュール、メール通知、プログラムファイルの実行、遠隔操作等が可能にし、管理者の手間と不安を軽減します。
※電源管理ソフトウェアは各商品ページの「専用部品(オプション)」にあります。
公開日:2024/02/15