同軸ケーブルとは?

同軸ケーブル(英語:Coaxial Cable, 略称: coax)は、信号を伝送する銅線(内部導体)を、管状の絶縁層(絶縁体)で囲み、その周りをさらに管状のシールド(外部導体)が取り囲んでいる太くて丸い形状をした通信ケーブルです。
シールド線と異なり特性インピーダンスと減衰量が保証され、使用周波数特性は1MHz~1GHz。
耐久性に優れ、設置が簡単で、長距離にわたって信号を伝送できるよう設計されており、通信ネットワーク(インターネット)やテレビ・映像の配信に使用されています。
同軸ケーブルとコネクタの選び方
必要な同軸ケーブルを正しく選択するには、その種類について知っておくだけでなく、それにあったコネクタの選択も必要です。
選び方のポイントとおすすめ商品を紹介します。
STEP 1接続する機器に対応した接続する機器に対応した種類の同軸ケーブルを選ぶ
同軸ケーブルには、日本の産業規格であるJIS規格に準拠したものと、米国の調達物資規格に準拠したMIL規格に準拠したものがあります。
JIS規格に準拠したものは、インピーダンスによって、50Ωタイプと75Ωタイプに分かれ、MIL規格に準拠したものは、RGタイプと呼ばれます。
インピーダンスとは、交流回路における電気抵抗の値を指し、インピーダンスの値が高くなるほど電気が流れにくくなります。
用途:データ通信、無線通信
無線通信用の屋内配線、高周波機器の接続用・内部配線、電力線搬送用給電線等
用途:テレビ信号の伝送
テレビ受信用の屋内配線、高周波機器の接続用、内部配線、電力線搬送用給電線等
米国国防総省のMIL規格(Military Standard)に準拠した同軸ケーブルです。
種類 | 外径 | 特長 |
---|---|---|
RG-59 | φ6.15 | ネットワークカメラに最適な工業規格ケーブル。内部導体がRG-6より細く、短距離や低周波の伝送に適しています。 |
RG-6 | φ6.90 | 内部導体が太く、優れた信号品質で、GHzレベルの信号を効率的に伝送します。テレビ・映像、インターネット接続に使用されます。 |
RG-11 | φ10.30 | RG-6やRG-59よりも外径が太く、減衰量が低いため、長距離のデータ伝送に適しています。 |
同軸ケーブルがおすすめ
大電力ほど、ロスを少なくするために太い同軸ケーブルをお勧めします。
430MHz以上の周波数で伝送するときは、「インピーダンスの乱れ」を防止するために二重編組の同軸ケーブルをお勧めします。
※ただし、太いほどケーブルを曲げにくくなり、扱いは難しくなります。
- 5:絶縁体外径(数字が大きいほど、太いケーブルとなります)
- D:インピーダンス特性を表します(D:50Ω、C:75Ω)
- 2:絶縁体の種類を指します(2:PE充実絶縁、QE:ポリエチレン、など)
- V:外部導体・シースなどの形状を表します(V:一重編組・ビニール、W:二重編組・ビニール、T:三重編組・ビニール、など)
STEP 2接続する場所に適した形状のコネクタ(プラグ/ジャック/アセンブリ品)を選ぶ
同軸コネクタのインピーダンスは、同軸ケーブルと同じインピーダンスであることが大切です。
接続する場所にあわせてコネクタの形状を選ぶこともポイントのひとつ。
コネクタを選定する際は、接続箇所や勘合相手に合ったものを選んでください。
- プラグ
- 小型軽量で、結合が簡単なバイオネットロック方式を採用。
- ジャック
- 本体は締付タイプとなっており、ケーブル接続部の堅牢性が高い。
以下のレセプタクルとアダプタは、同軸ケーブルへ直接
取り付け・加工は使用しませんが、コネクタの種類として紹介いたします。
- レセプタクル
- BNC型絶縁形レセプタクルで、コネクタとパネル間を絶縁します。
※同軸ケーブルには直接使用しません。
- アダプタ
- BNC型中継用アダプタです。
※同軸ケーブルには直接使用しません。
以上の点にご注意の上、ご希望の同軸ケーブルを選定してください。

構造と特性
同軸ケーブルの構造

同軸ケーブルは主に4種類の層で構成されています。
内部導体:一般的に銅線が使われ、データや映像を伝送
絶縁体:ポリエチレンやテフロン等
外部導体:シールドと呼ばれる細い銅線のメッシュ。電磁干渉(EMI)から内部導体を保護
被膜:PVC(ポリ塩化ビニル)等
同軸ケーブルの内部導体、外部導体には銅、絶縁体にはポリエチレンを用いたものが一般的で、外部導体は細い銅の線を網目に織り込んでいます。
絶縁体の誘電体損失を減らすために、発泡タイプを用いた物もあります。
これは、絶縁体中に誘電体損失の少ない空気を多く含むため、損失が少なくなります。
また、外部導体が二重メッシュになっているものや、メッシュの外側にアルミ箔を巻いて漏洩を少なくしているもの、磁気的シールドが施されているものなどもあります。
同軸ケーブルの特性:インピーダンス

同軸ケーブルの特性であるインピーダンスは、交流回路における電気抵抗の値を指します。また、内部、および外側の導体の構成に左右されます。インピーダンスは導体のサイズ・間隔及びそれらの間で使用される誘電体のタイプによって定められています。構造上使われている材料すべてでインピーダンスを決めています。
同軸ケーブルの剥き方

- ①先端から9mm以上の部分にカッターで切り込みを入れる。
- ②切り込み線に沿ってカッターで外皮を切る。
- ③カットした外皮を回しながら抜き取る。
- ④カットした部分から1cm程度残るように先端から編組みをほぐす。
- ⑤網組の端から3~5mm程度残して芯線の皮膜を剥がす。
- ①同軸ケーブルの剥き方は、外皮と編組を一度に切るよりも、外皮だけを切る方が芯線を傷つけるリスクが低く、おすすめ。
- ②銅線やアルミ箔を傷つけないように剥くことがポイント。
- ③芯線の皮膜を剥がした後に、カッターの刃で芯線の表面をこすり、付着物を除去すると接触不良が起こりにくくなります。
- ④芯線の長さは、取り付ける場所にあわせて変えてください。

公開日:2023/08/28