工具の通販モノタロウ 住宅・店舗照明 快適空間へ導くLED照明実践講座 ライティングレール(配線ダクト)の種類

快適空間へ導くLED照明実践講座

モノタロウの本連載では、シーリングライトをはじめ屋内・屋外で使用する多種多様なLED照明の種類や、空間を快適にするための設置方法について、実践的で役立つ知識をご紹介していきます。
第2章 スポットライトの選び方

2-5 ライティングレール(配線ダクト)の種類

2本の電線を配管の中に入れて通電させる装置をライティングレール (ライティングバー、ライティングダクト、配線ダクトなどと呼ばれる。以下、配線ダクト)と言います。JIS(日本工業規格)で規格された配線ダクトはダクトのメーカを問わず、専用プラグ付きの器具であれば使用可能です。

配線ダクトは1920年代にアメリカの照明メーカによって開発された、と言われていますが、それから100年たった今日ではメーカがPSEマーク(電気用品安全法)を取得した特殊なサイズと機能を持った配線ダクトも販売されています。例えば1~2Wの超小型スポットライト用や同じく小型の器具でマグネットによって脱着ができるものなどがあります。(写真1)

超小型スポットライト用配線ダクト
写真1 超小型スポットライト用配線ダクト

配線ダクトはおもにペンダントライトやスポットライトが多く使われています。ダクトの通っているところであればLED器具の脱着が自在なため、住宅や店舗、美術館など部屋の模様替えや展示変えの頻繁な場所の照明に広く用いられています。

ダクトの長さは1m単位で、メーカによって3m、または4mまでありますが、適当な長さに切断して使用することもできます。この場合、市販の鋸を使用してエンドキャップ側で行います。一回路当たりの灯数制限や、ダクト一本当たりの重量制限などがあるため配線ダクトに取り付ける器具の灯数は限られます。従って使用する前にメーカの注意書きをよく読む必要があります。

なお配線ダクトにはおもに以下の種類があります。

 

1.天井直付け形

最も多く使用されている配線ダクトです。直線使用の場合はダクトの端末から100Vの電源を引き込む場合にフィードインキャップ(写真1)が使われ、またL形やT形、十字形の接続キャップ(写真2、ジョインナーキャプなどとも言われる)があるので、ロの字や田の字に配列させることが可能です。

写真2
写真2 左:フィードインキャップ 中:ジョインナーL 右:エンドキャップ(パナソニック)

一般的にダクトの色は白と黒になりますが、メーカによってシルバーや木目調なども用意されており天井の仕上げ色によって選ばれます。また、ペンダント器具のコード長を調整する吊りフックや蛍光ランプ型LEDの落下を防ぐための落下防止フックなどがあります。(写真2)

天井直付け形
写真3 天井直付け形
左ダクトにL形接続キャップ、右ダクトにフィードインキャップが見える

吊りフック
写真4 吊りフック

落下防止ワイヤー
落下防止ワイヤー

 

2.天井埋め込み形

天井をすっきり見せたい場合に使われます。Tや十字形の接続キャップがないのでロの字や田の字に設置したい場合はやや厄介ですが可能です。(写真5)

天井埋込み形にパイプ吊り器具
写真5 天井埋込み形にパイプ吊り器具

 

3.吊り下げ(パイプハンガー)形

天井がやや高い場合に使用することで、器具の取り付け高さを低くすることができます。

パイプの長さは1,5mの範囲内で切断ができるため、器具の取り付け高さの調整が可能です。

 

4.簡易取り付け形

引っ掛けシーリング・ロ―ゼットに直接設置できるタイプです。電気工事士の資格がなくても取り付けができます。器具の長さや荷重制限は商品によって異なりますが、長さが1m~1.5m程であれば片側2.5~3kgで合わせて5~6kgの荷重制限があります。

同様に商品によって異なりますが狭い範囲でスライドができ、また回転もできる(取付け時に方向を決める)ことから、梁の有無など取り付けの状況に応じてある程度の調整が可能になっています。

引っ掛けシーリング直付けダクトレール(YAZAWA)
写真6 引っ掛けシーリング直付けダクトレール(YAZAWA) 

簡易取り付け配線ダクトのスライド方向(左)と回転方向(右)
図1 簡易取り付け配線ダクトのスライド方向(左)と回転方向(右)

 

執筆: 中島龍興照明デザイン研究所 中島龍興

『快適空間へ導くLED照明実践講座』の目次

第1章 ベースライトの選び方

第2章 スポットライトの選び方

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