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照明のことが分かる講座

照明とは人々の生活に役立つ光の仕事のことを言います。 照明の主光源がLEDに変わりつつあるなか、照明を知ることで生活はより豊かに変わります。 そこで本連載では照明の基礎知識から光源や照明器具の種類、照明方式、照明がもたらす心理・ 生理効果を分かりやすくご紹介していきます。
第3章 照明のことが分かる講座

3-7 スポットライト器具の種類と選び方

スポットライトを浴びるという言葉があります。これは大勢の人の視線を集める、注目されるという意味になります。店舗照明では重点展示の部分を特に明るく照明することで人の目を商品に引き付けます。また舞台照明でもスポットライトを浴びた役者は周囲から一段と引き立ちます。しかし舞台におけるスポットライトの働きは主役を引き立たせるだけではなく、背景の明かりにも使われ、場の雰囲気を作り出しています。(写真1 スポットライト照明で演出効果を高めたショーウィンド。)

(写真1)

(写真1)



スポットライトの配光

一般照明用のスポットライト器具(以下、スポットライト)もアクセント照明としてインテリアの主要な部分を明るく浮かび上がらせる以外にも壁や天井面をやや広い配光器具を使って間接的な照明で雰囲気を高めることがあります。そのため光の広がりは1/2光度角で分類され、0度方向の最大光度の1/2を示す角度で、15°未満は挟角、15°以上30°未満は中角。30°以上90度未満を広角と呼ぶ。ちなみに図1の配光は中角になり、写真2はスポットライトのイメージです。

(図1)

(図1)



(写真2)

(写真2)



(写真3)

(写真3)



スポットライトは多くの場合、天井に設置されたライティングレール(配線ダクトとかライティングダクトなどとも呼ばれる)に取り付けられます。器具は専用のプラグ付きであれば器具の脱着が自由で、例えば展示替えの多い美術館や店舗で広く使われています。(写真3 電源ユニットをプラグに内蔵した配線ダクト用LEDスポットライト) 器具によっては光度角の可変機能を備えたものやフィルター、レンズ、ルーバなどの装着が可能なものもあります。

スポットライトも今日ではLED化され、投光照明用のLED電球を使う器具かLEDモジュール一体型の何れかの選択ができます。これらは光の拡がりや強さも多種多様で、例えば1/2光度角が10度以下の挟角配光のLEDモジュール一体型器具は25~50Wほどのパワーがあれば2m離れた直下で約1万lxの照度を可能にします。

スポットライトの効果

スポットライトは周辺照度の3倍ほどの明るさがあれば効果が得られ、10倍以上の明るさでは、対象がまるで木陰の中の日向のように空間から浮き上がります。(図2 照度比と知覚)

(写真4)

(写真4)



(図2)

(図2)



スポットライト器具は主要なメーカ各社のカタログを見ると「高さによる光の拡がりと照度」を表したデータが載っているので、器具選定時はそのデータを参考にします。もし平均照度が100lxほどの空間で、写真5のようにある対象をスポットライトで効果的に浮かび上がらせたい場合は500~1000lxで照明すればよく、そのような照度の出る器具をデータで読み取るのです。

スポットライトの取付け方法はライティングレール式以外にも直付けやクリップ式などがあります。クリップ式は挟める場所とコンセントが近くにあれば簡単に設置でき家で仮設的に照明効果を楽しみたい場合に有効です。

スポットライトは照射方向を上向きにして、天井や壁面を照らせば間接照明になります。例えば写真6のように壁際に置かれた観葉植物のポットにスポットライトを挟んで、天井に向けて照らせば植物の葉影を天井や壁面に映しだし、葉の形状によって神秘的な影の演出が可能になります。

スポットライトはグレアを避けるためにも、できるだけ目立たない位置から照明することが重要です。舞台照明を見てもわかるようにスポットライト器具は観客の席からは見えないように隠しています。仕掛けが分からないで対象が浮かび上がると、まるでマジックを見ているように人は感動するのです。

(写真5)

(写真5)



(写真6)

(写真6)



執筆: 執筆: 中島龍興照明デザイン研究所 中島龍興

『照明のことが分かる講座』の目次

第1章 照明の基礎知識

第2章 光源の種類と特徴

第3章 LED照明器具の選び方

第4章 照明方式

第5章 照明の視覚心理・生理

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