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照明のことが分かる講座

照明とは人々の生活に役立つ光の仕事のことを言います。 照明の主光源がLEDに変わりつつあるなか、照明を知ることで生活はより豊かに変わります。 そこで本連載では照明の基礎知識から光源や照明器具の種類、照明方式、照明がもたらす心理・ 生理効果を分かりやすくご紹介していきます。
第2章 光源の種類と特徴

2-10 直管形蛍光ランプ代替のLEDランプ

蛍光ランプに近づいた直管LEDランプ

直管LEDランプ(LED蛍光灯、直管形LEDなどともいわれる)とは直管形蛍光ランプの代替用途になるものです。

直管形蛍光ランプはおもに天井高の左程高くない事務室や学校、店舗などの全般照明に使用されているもので、ある程度の明るさが得られることで作業効率を高めるためたり、販売を促進したりする所に必要な光源です。

直管形蛍光ランプはもともと高いランプ効率と長寿命であったため、これを超えるLED化が遅れました。しかしここ数年で、その性能が向上し続々と新商品が開発され、市販されるようになると、一気に普及し始めています。

3通りの直管LEDランプ

直管LEDランプは管内に交流を直流に変換する電源ユニットが組み込まれているタイプが多く、ランプによって以下に紹介3通りがあります。

(1)G13 の口金を持ち、既設器具にそのまま使えるランプ

工事を必要としないで、既設のG13口金を持つ直管形蛍光ランプ器具にそのまま取り付けられるランプです。しかし欠点としては既設器具の安定器が残っているため、あまり省エネにはならず、また安定器の寿命がくると直管LEDランプ自体が点灯しなくなります。 最悪の場合は発火の危険性があるというデメリットもあるため、あまり勧められていません。

(2)G13口金を持ち、既設器具を改造して使えるランプ

現在最も普及している直管LEDランプと言え、既設器具に使用する場合は安定器の取り外し工事(バイパス工事と言われる)が必要になります。バイパス工事はいくつかの方式があり、ランプメーカや種類によって内容が変わります。 例えば現在主流の片側給電方式と今まで多かった両側給電方式(片ピン接続と片側給電ダブル)があり、その他にも特殊な方式があります。(図1)

図1 バイパス工事例

(1)と(2)のLEDランプメーカは照明器具を自社で製造することなく、ランプだけ販売できるメリットがあります。しかし既設器具メーカの立場としては直管形蛍光ランプの使用しか想定していないため、 器具を改造して直管LEDランプを使用したことによるトラブル(感電やランプの落下など)に対して保証できないことになります。最近のバイパス工事の必要な直管LEDランプは安全性が確保されているようです。とはいえ、万が一のことを考えると、できれば長期(3年~5年)の保証があり、実績のある製品を選ぶことが奨められます。

専用の器具を使うランプ

(一般社団法人)日本照明工業会ではG13口金の使えないL形口金付き直管LEDランプを 制定しています。そのためランプの点灯にはL型口金専用の器具が求められます。これによって蛍光灯の代わりになる直管LEDランプが安全に使えることになります。 このL形口金付き直管LEDランプは始めに直管形蛍光ランプの20Wと40W相当の商品が開発されています。例えば40W蛍光灯器具の代わりとなるL形口金付き直管LEDランプ(LDL40 )は、2017年現在で消費電力がおよそ15~20Wで、全光束は種類によって異なりますが、およそ2300~2500lmあり、 (一般社団法人)日本照明工業会ガイドライン(図2)を優に満たしていると言えます。

なお直管形蛍光ランプ40Wは約3500lmもあるのに対し、L形口金付き直管LEDランプ(LDL40 )は光量からしたらまだ少ないですが、消費電力は半減しています。

図2 L形口金付き直管LEDランプのガイドライン(一社、日本照明工業会より)

最近に直管LEDランプ

直管LEDランプの管は樹脂製とガラス製があり、それぞれ一長一短があります。今までは樹脂製が多かったのですが、紫外線による劣化や熱による伸縮などの問題を考慮し、最近はガラス製(飛散防止フィルター付き)も開発されています。

また光の広がり(配光)も初期のものは120°以下に多くの光束があり、取り付ける器具によって作業面は明るくなっても天井面が暗くなることがありました。(写真1)

今日では直管形蛍光ランプに近い全方向に光りが放射する直管LEDランプが市販されているので、ほとんど蛍光ランプと変わらない照明効果が期待されています。

写真1 120°以下に多くの光束がある直管LEDランプを天井に向け間接照明とした例

執筆: 中島龍興照明デザイン研究所 中島龍興

『照明のことが分かる講座』の目次

第1章 照明の基礎知識

第2章 光源の種類と特徴

第3章 LED照明器具の選び方

第4章 照明方式

第5章 照明の視覚心理・生理

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