工具の通販モノタロウ 照明 照明のことが分かる講座 豊かな種類を誇る白熱電球

照明のことが分かる講座

照明とは人々の生活に役立つ光の仕事のことを言います。 照明の主光源がLEDに変わりつつあるなか、照明を知ることで生活はより豊かに変わります。 そこで本連載では照明の基礎知識から光源や照明器具の種類、照明方式、照明がもたらす心理・ 生理効果を分かりやすくご紹介していきます。
第2章 光源の種類と特徴

2-2 豊かな種類を誇る白熱電球

白熱電球を用途別に分類すると前回紹介したように一般照明用、投光照明用、装飾照明用に大別されます。

一般照明用電球の代表格が白色塗装電球で、別にシリカ電球とかホワイトシリカ電球などとも呼ばれます。バルブの形状はナス型が多く、Aという記号で表示されることがあります。

またランプの口金はねじ込み式でエジソンベース(E)と呼ばれ、家庭で普及している40~100W形はE26(直径が26mm)が用いられています。このようにして記号と数値だけでランプ形状と大きさがおよそ分かるようになっています。

ランプの口金に関してはクリプトン電球がE17,ハロゲン電球はE11が多く使われていますが、振動の多いところで使われるランプはねじ込み式のエジソンベースだと経年で緩むことも考えられるため、その場合は差し込み式のスワンベース(記号はB)のランプが使われます。

一般照明用電球は光が四方八方に広がるため光束量でランプの明るさを確認します。同じ種類の光源であればW数の高いほど光束も多くなりますが、使用する照明器具のデザインによって光束がかなり低下することもあります。

一般照明用電球の中でも、白色塗装電球やクリプトン電球は温かい光で演色性にも優れており、しかも安価で購入できます。しかしランプ寿命が1000~2000時間と短く、ランプ効率も15lm/W前後で低いため、高照度を必要とする店舗照明にはあまり相応しくなく、家庭用照明として特に欧米では重宝されていました。

投光照明用電球

この種のランプはランプ後方に出る光をミラーで反射させ、ランプ前面に出す仕組みになっており、反射型投光電球に代表されます。一般照明用に比べるとスポット光になっているのが分かりますが、おもにR型(レフ)電球とPAR型(ビーム)電球、MR16の3種類が普及しています。 R型は60度の光の広がりを持つタイプが多いのですが、一部で100度くらいの光の広がりがあり、これはスポットというよりフラットランプと呼ばれています。

PAR型はParabolic Aluminized Reflector(放物線形状アルミニウム反射鏡)の頭文字をとった略称です。日本ではPAR38(ランプの最大径38×1/8インチで。約12cmの直径を持つ)のランプが良く使われております。 光の広がりはおもに15度(集光タイプ)と30度(拡散タイプ)で、屋内では3,0m~7,5mくらいの高天井で複数灯使用することで全般照明として使われることもあります。 しかし主流は屋外照明用で、樹木のライトアップなどに効果を発揮しています。ランプは硬質ガラスでできているので雨が直接当たっても割れない構造をもっているため、防水型の器具に使用されます。(写真1、PAR38型電球のバルブ径)

MR16(16×1/8インチで直径5cm)は前回紹介しましたが、一般的にランプはPAR型電球と比較すると小型でスポット照明効果も優れています。特に低電圧用(一般に12V用が多い)の中には3倍ほど高い局部照明が得られるタイプもあります。 低電圧用は100V用器具に間違って使われないよう、口金の形状を変えています。(写真2 ハロゲン電球の口金)

投光照明用電球の明るさは光束より直下光度(cd、カンデラ)で確認します。光度を距離の二乗で割ることで局部的ではありますが最大照度が算出できます。例えば光の広がり15度で最大光度7000cdのPAR型電球の場合、5m直下の照度が幾らかと言えば、7000÷5の二乗で280ルクスになります。

白熱電球は全般に電気エネルギーの大半が熱に変わり、光として利用できるのは僅かです。そのためランプ効率「1Wあたりの光束量で、ルーメンパーワットと言う」が低く、一般照明用で15lm/W前後しかありません。 省エネルギーの観点からすれば蛍光灯やLEDに比べ好ましくない光源とされ、政府はランプの製造メーカに対して2012年までに代替の効かないものを除く白熱電球の製造中止や減産、また家電量販店などの販売自粛を要請しており、今日に至っています。

装飾用電球

装飾照明用電球はバルブの形状や色に様々な種類があります。なかでもバルブの形状が蝋燭の炎のような形をしたシャンデリア型電球(記号C―Conical円錐形の略)、または(記号F―Flame炎の略)と、それに幾つかの直径を持ったボール型電球(記号G)が良く使われています。 シャンデリア型電球はクラシックシャンデリアや燭台を模した照明器具によく合います。特にバルブが透明のタイプはフィラメントの輝きが直接見え、例えばクリスタルガラスに光が当たると、ガラスのカットによってきれいな虹が生じます。(写真3 装飾照明用電球)

以上紹介した白熱電球は、今日ではLED電球に代替可能なものは徐々に製造中止の方向にありますが、一部で根強い人気もあって、まだしばらくは購入出来る状態が続くと思われます。

写真1 PAR38型電球の直径

  • 写真2 ハロゲン電球の口金形状
  • 右:12V用(G6.35 ピンの間が6,35㎜)
  • 中:12V用(GU5.3)
  • 左:100V用(EZ10)

  • 写真3
  • 右からC型電球(E17白色)
  • C型電球(E26クリア)
  • F型電球(E26)
  • G形電球(E26白色)
執筆: 中島龍興照明デザイン研究所 中島龍興

『照明のことが分かる講座』の目次

第1章 照明の基礎知識

第2章 光源の種類と特徴

第3章 LED照明器具の選び方

第4章 照明方式

第5章 照明の視覚心理・生理

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