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特殊レンチの種類と使い方

特殊レンチは本格的な自動車・バイクの整備に活躍します。主に狭い場所で作業するために必要な工具ですが、ここではクロウフットレンチとトルクスレンチについて紹介しますので、本格的な整備を始めたい方は参考にしてみて下さい。

特殊レンチの種類について

特殊レンチには大きく分けて2種類あります。

1つはクロウフットレンチです。クロウフットレンチですとは、通常の工具では届かない場所の作業に使う工具です。自動車や一般産業機械などの油圧配管に使用されており、ブレーキパイプのナットを外す時に使います。さらに、エクステンションバーを付けて延長すれば、どんな奥まった場所でも作業できるようになります。ただし、クロウフットレンチのみでは使用することはできず、スピンナハンドルを組み合わなければなりません。

トルクスレンチのトルクスとは、アメリカのCamcar社が開発したネジ規格のことをいいます。これは、従来のボルト・ナットと比べて、伝動効率および耐久性が高いのが特徴です。一般的には自動車産業などでプロが使う工具ですが、各種産業機械の整備をする人にとっては欠かせない工具でしょう。

どちらも特殊レンチとなるため、一般で使用することは少ないですが、自動車やバイクの整備を本格的に取り組む時にはあると便利です。特に、トルクスレンチは外車やヤマハ車の一部ではよく使用されており、車種によってはメンテナンスで必要になることもあります。それでは、クロウフットレンチとトルクスレンチについてもう少し詳しく解説していきます。

クロウフットレンチの特長と使い方

クロウフットレンチは、ソケットやレンチが入らない狭いスペースに使用する工具です。メガネレンチの一片のような形をしているのがフレア、スパナのような形状で早回しに適しているのがオープンエンドと言います。これらは、変換アダプターやエクステンションバーを組み合わせると、長さや角度が自由に調節でき作業効率がアップします。トルクレンチとの組み合わせも可能で、この2つを組み合わせるとシャフトやパイプ周りも作業しやすくなるでしょう。

クロウフットレンチは、その形状からブレーキやクラッチ関係のナットを回すのに多く使われています。一般の人が使用する場所として考えられるのは、エアコンなどの油圧機械や各種配管、自動車のブレーキやクラッチの交換、センサーの取り付けなどです。この工具を使用すれば、スパナなら2面でとらえるのに対し、5面でとらえることができます。そのため、ボルトやナットに損傷を与えてしまうリスクを軽減でき、多くの場所で使用できます。

クロウフットレンチの特長と使い方

トルクスレンチとは

トルクスレンチとは、トルクスねじに対応したレンチのことです。トルクスという名称はアキュメント社の登録商標となっており、アキュメント社からライセンスと技術指導を受けなければトルクスという名称を使用することはできません。

トルクスのねじ規格は、T型とE型に分けられています。ボルト頭と工具が接触する部分が曲線となっており、トルクの伝動効率が良い点が特徴です。トルクスねじはヘックスローブねじとも呼ばれ、プラスやマイナスのドライバーでは使用することができず、専用のトルクスレンチを用意する必要があります。

トルクスレンチとは

トルクスねじにはいたずら防止として、六角星型の真ん中に突起があるいじり防止ねじが存在します。これは一般の人がむやみに分解しないための措置で、車の部品や携帯電話、コンピューターに使用されているものです。自動車整備では、エアバッグやシートベルトなど、安全性が求められる場所に使われることがあります。

トルクスレンチとは

トルクスレンチの使い方と注意点

トルクスレンチの使い方ですが、まずはボルトのサイズに合ったものを使い、奥までしっかり差し込んだらボルトの回転方向に回します。先端部分を倒してしまうと破損するため注意しましょう。また、亀裂のあるレンチを使用した時も破損の恐れがあるので、六角部のねじれには使用しないで下さい。

レンチをハンマーで叩いて衝撃を与えたり、先端でこじ開けようとしたりする方法は適していません。無理な力をかけたりパイプを継ぎ足したりして使用するのも避けましょう。

特殊レンチは、簡単な自動車やバイクの整備をする限りはほとんどのケースで必要ありません。しかし、自動車やバイクには特殊な工具を使用しないと、ボルトやナットを回せない箇所も存在しています。今回ご紹介した2つの工具は特殊な整備をする時に必要なので、是非とも使用するようにして下さい。