便座の種類と選び方
便座とは
腰掛けて使用する洋式便器に付属するパーツです。ボルトなどで便器本体に取り付けられていて、大きいタイプ(エロンゲートサイズ)と普通のタイプ(レギュラーサイズ)の2種類があります。それぞれ、便座の取り付け穴から便器本体の一番先の部分まで470mmと440mmに区別されています。
エロンゲートサイズ
レギュラーサイズ
便座の種類と選び方
便座には、付帯する機能や便座の形状などによっていくつかの種類に分けられます。自分にあった便座を選ぶには、どのような機能が必要なのか、どういった形が便利なのかを把握する必要があるのです。
タイプで選ぶ
現在市販されている便座は、機能別に以下の3つのタイプに分けられます。

普通タイプ
もっとも、オーソドックスなタイプで電力も使用しないため、経済的にすぐれています。エロンゲート・レギュラー兼用のものが多く、ほとんどの洋式便器に設置が可能です。

暖房タイプ
便座に保温機能が付いているタイプで、冬の寒い時でも不快感なく使用できます。タイマー機能や、温度調節機能が付いたものもあり、省エネにも気が配られています。

温水洗浄タイプ
温水洗浄機の付いた便座です。もともとは、アメリカで痔の治療機器として使用されていたものを日本のメーカーが特許を取得し、一般家庭向けに改良を加えたものです。2019年現在、日本でもっとも流通している便座のタイプで、ノズル自動洗浄や消臭機能、着座スイッチなどさまざまな機能が付加されたものがあります。
形状で選ぶ
便座の形には、ドーナツのように丸くなったO型(前丸)と先端が開いたU型(前割)の2種類があります。少し前までは、公共施設ではU型が、一般家庭ではO型が主に使われていましたが、便座の強度が増したり、便器のサイズ自体が大きくなったりしたこともあり、現在では明確な線引きは行われていません。

O型(前丸)
最大のメリットは、耐久度の高さです。日本工業規格の規定では、O型(前丸)便座は、便座の中心部分に153kgの負荷をかけ、10分間耐える必要があります。

U型(前割)
U型(前割)は、普通タイプで多く見られる便座で、O型に比べて衛生面ですぐれているといわれています。男性の場合、O型(前丸)便座の場合、衛生的に良くない場合がありますが、U型(前割)便座の場合だと接触する可能性が低くなるのです。
掃除のしやすさという点では、どちらも大きな差はありませんが、便座カバーの交換はU型の方が簡単という意見が多いようです。
ウォシュレットの選び方
温水洗浄便座(ウォシュレットタイプ)の便座を選ぶ場合のポイントとしては、以下の点に注意すると良いでしょう。

交換する便器のタイプ
便器のタイプによって、取り付けられる便座が違ってきます。便器の後ろに貯水タンクのあるタイプや便器と貯水タンクが一体化しているタイプの場合は、どのメーカーの温水洗浄便座も設置が可能ですが、トイレの角に三角形の貯水タンクが設けられているタイプは、メーカーに確認する必要があります。


リモコンの位置
便座の本体にリモコンが付属している一体型(左写真:上)と、壁など離れた部分に設置するセパレートタイプ(左写真:下)があります。壁などに設置する場合は、穴あけ、ビス止めなどの作業が必要ですから、賃貸物件などの場合は、工事の必要ない一体型を選ぶといいでしょう。
お湯のタイプ
便座内のタンクに水を溜め、電気の力でお湯にする貯湯式とセラミックヒーターで瞬間的にお湯にする連続出湯式があります。連続出湯式は、ハイグレードモデルに搭載されているケースが多く、お湯を使いすぎても貯湯式のように途中から水になってしまうことがありません。電気代も安いため経済的にもすぐれていますが、現行モデルではリモコンは全てセパレートタイプになってしまいます。
便座を選ぶ時には、使用したい機能から、普通便座、暖房便座、温水洗浄便座と絞り込んでいきましょう。便座の形状は、付帯する機能によってもある程度絞り込まれてしまいます。また、温水洗浄便座を選んだ場合は、便器本体のタイプによって取り付けられない便座もあるので注意が必要です。