工具の通販モノタロウ 体温計 体温計の種類と測り方

体温計の種類と測り方

実測式体温計と予測式体温計の違い

実測式体温計は、体温計自体に伝わる熱を忠実に表示するタイプの検温器です。なお、体温を正しく測定するためにかかる時間のことを「検温時間」といい、実測式体温計の検温時間は、体温を測定する部位によって異なってきます。口の中に体温計を入れて測定する場合は5分以上、脇で測定する場合は10分以上必要だとJISでも規定されています。皆さんも、風邪を引いて熱を測る時にこの実測式体温計を使った事があると思いますが、実測式の場合は測定を始めてから、これ以上計測温度が上がらないという温度になるまで計る必要があるため、このような長い検温時間が必要となるのです。

体温確認を急ぐあまり、多くの方は5分以内の検温時間で体温を測定しているようですが、本当に正確な体温を実測式体温計で測定しようとすると、最低でも5分以上の検温時間が必要であると覚えておきましょう。

体温計も温度計の一種です。温度計というと、実測式体温計のように、温度を測定し始めてから、最高値に到達するまで待つしかないと思うかもしれませんが、最近の体温計はかなり性能が上がっているため、5分以上待たなくても体温が測定できます。

このように、検温時間が短い体温計を「予測式体温計」といいます。その名の通り、体温を予測する体温計なのですが、一体どんな情報から体温を予測するのでしょうか。予測式体温計は、温度センサーによって素早く温度を測定します。そして、その測定温度を基に、体温計の数値上昇比率からおよその予測数値を算出して体温を予測してくれるのです。そのため、実測式体温計のように長い測定時間が不要で、後は計算によって体温を予測し計測結果として表示してくれます。皆さんも、体温計を脇には挟んで体温を測定し、僅かな時間でピピピと音がなって測定が終了した経験があるかと思いますが、実は日本で最近市販されている体温計の多くが、この予測式体温計となっています。検温時間が短いという長所がありますが、その反面、あくまで測定されて表示される体温は「予測」であるため、実測式よりも体温に誤差が生じたり、測定後に体温が変化したりする事もあるため注意が必要です。

また、予測式体温計はできる限り正確に体温を予測するために、演算データが体温計本体に内蔵されています。この演算データが測定部位によって変わってくるため、予測式体温計の場合は、体温の測定部位があらかじめ指定されていることを覚えておきましょう。最近では、予測式体温計に実測式の機能がプラスしてついているものもあります。

実測式体温計 体温計に伝わっていく熱を忠実に表示する検温器です。正しく測るための検温時間は口中で5分以上、脇で10分以上必要とJISで規定されています。
予測式体温計 検温開始からの温度と湿度変化を、分析・演算し約10分後の体温を予測し表示する検温器です。予測式体温計は、実測検温も可能です。

出典:オムロンヘルスケア

※医師の指示などで厳密な体温検温が必要な場合は、実測検温もお勧めします。

実測式体温計と予測式体温計の違い

体温の正しい計り方

体温計の正しい計り方は、概ね以下の通りです。

実測式の場合は、測定部分が暖まりやすい脇の下か舌下で計るのが一般的です。正しい体温を測定するためには、そのための環境を確保することも大切です。例えば、飲食後や入浴後、運動後については、通常より体温が上昇しやすいため正確な体温が測定できない場合がありますので注意しましょう。また、実測式体温計を使用する際には、その角度が下がっていると正しい体温が測定できません。およそ30〜45度程度にするよう心がけましょう。予測式体温計の場合は、使用する部位が指定されているため、測定前に必ず確認して下さい。

なお、どちらの体温計を使う場合についても、連続して測定する場合は、1分程度の間隔をあけて下さい。測定した体温にばらつきが生じる方は、測定部位をもう一度確認してみましょう。例えば、同じ脇の下でもその微妙な位置の違いによって測定温度が変わってきますし、しっかりと脇を閉めて測定をしないと、体の表面温度を測定してしまいます。正しい体温を測定するためには、しっかりと脇を閉じて測定する事が重要です。