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スプレーガンの種類とトラブル対策

塗料や錆び止め剤などの塗装工程に欠かせないスプレーガンは、用途・目的に合わせて適切な種類を選ぶ必要があります。また扱い方にコツが必要なため、戸惑ってしまう方も多いでしょう。こちらでは、スプレーガンの種類・使い方からトラブル対策まで、詳しく解説していきます。

スプレーガンとは

スプレーガンとは、コンプレッサーの圧縮空気を利用し、塗料などの液体を霧状に噴射して対象に吹きつける塗装装置のこと。その名の通りピストルのような形状をしており、引き金を引くことで塗料がスプレーされます。

スプレーガンの用途は幅広く、車やバイク、家電製品、家具などの着色塗装をはじめ、潤滑油や錆び止め剤の塗布、水による洗浄、加湿・冷却、料理や製菓など様々な場面で活躍しています。噴射の形状(パターン)も多様なので、用途に合わせて選ぶと良いでしょう。

スプレーガンの各部の名称

スプレーガンには様々なつまみや部品が付随しています。各種の名称と役割を覚えて、適切な扱いに役立てましょう。

  • (1)引き金(トリガー)
  • いっぱいまで引くと塗料がスプレーされます。軽く引くことで圧縮エアーだけを吐出することも可能です。

  • (2)パターン開き調整つまみ
  • スプレーパターンの形状を変更します。時計回りに閉めると小さく丸型に、反時計回りに開くと大きく楕円形になっていきます。

  • (3)塗料噴出量調節つまみ
  • 液体の吐出量を変更します。時計回りに閉めるほど吐出量0に近づき、反時計回りに開くほど吐出量が多くなります。

  • (4)空気吸入口
  • コンプレッサーに繋ぐニップルです。

  • (5)空気量調節つまみ
  • 圧縮エアーの量を変更します。時計回りに閉めるほど少なく、反時計回りに開くほど多くなります。

  • (6)カップ容器
  • 塗料が入っている容器です。重力式・吸上式で使用します。時計回りに回すと締まり、反時計回りに回すと開きます。

  • (7)空気孔
  • 空気圧を整えるための穴です。

  • (8)カップフタ
  • 金属でできているカップ容器の蓋部分で、空気孔が空いています。

カップ取り付けナット

カップ容器とスプレーガン本体の接続部分です。

空気キャップ(エアーキャップ)

スプレーパターンの垂直・水平などを変更するつまみです。

スプレーガンの種類と特長

スプレーガンには、大きく分けて「重力式」「吸上式」「圧送式」の3種類があります。それぞれ特長が異なるので、用途に合わせて使い分けましょう。

  • 【重力式スプレーガン】

本体の横にカップをセットし、重力に従って落ちてくる塗料を吹きつけるタイプです。塗料の供給が容易なため、吸上式よりも吐出量は多め。カップが小さく軽量なので、少量塗装したい場合や色替えが多い場合、細かな部分を塗装したい場合などに向いています。


  • 【吸上式スプレーガン】

本体の下にカップを取り付け、真空状態にして吸い上げた塗料を吹きつけるタイプです。カップが大きく、比較的広い面積の塗装をすることが可能。底が安定しているので作業途中で置くこともできます。中量塗装したい場合にオススメです。


  • 【圧送式スプレーガン】

他の2種とは構造が異なり、ペイントポンプ、加圧タンクなどに塗料ホースを繋げ、圧をかけて噴射するタイプです。塗料を圧送するので吐出量が多く、作業性に優れています。多量塗装したい場合や、工場ラインなどにて連続で使用したい場合に向いています。

スプレーガンの使い方

では、具体的にスプレーガンを使って塗装を行う方法をご紹介します。作業を始める前に、防塵服や塗装マスクを着用しておきましょう。

【準備をする】

まずは本体に取り付けたカップに洗浄液を入れ、本体内部を洗浄します。洗浄が終わったらコンプレッサーやエアホースを接続し、エアーを繋ぎましょう。カップにも塗料を入れます。

【各種調節】

「パターン調節つまみ」「塗料噴射量調節つまみ」「空気量調節つまみ」の3つを調節します。できれば空気量調節つまみは全開にした状態で、手元圧力調整期を使用してください。 次に塗料噴射量調節つまみを塗装条件に合わせて調節しましょう。反時計回りで吐出量が増えます。そしてパターン調節つまみを塗装面積に合わせて調節してください。反時計回りで幅が広がります。吹きつけ圧力も確認しましょう。

【塗装する】

引き金を引くと塗料が吹きつけられます。対象とスプレーガンの間は15~25cm放しましょう。塗装面に対して垂直の状態をキープし、速度が一定になるように塗装していきます。

スプレーガンのトラブル対策

使用していくうちに、「どうも調子が悪い」と感じることがあるかもしれません。そんな時は故障だと判断する前に、以下の対策を試してみてください。

  • ●吹きつけに息切れがある

空気が混入している可能性があります。ノズルとスプレーガン本体の間のノズルや、塗料カップ取付けナット、ニードル弁のナットを締めてみましょう。またカップ内の塗料不足が原因のこともあるので、残量を確認し補充してください。


  • ●片方だけ厚くなり、パターンの形に偏りがある

空気キャップや塗料ノズルの周りに塗料が付着し、詰まっている(または傷がある)可能性があります。空気キャップや塗料ノズルを洗浄しましょう。


  • ●パターンの真ん中がくびれる

吹きつけ空気圧力が高すぎるのかもしれません。圧力を低く調節してみましょう。また、塗料の粘度が低すぎる時は、粘度を上げてみてください。


  • ●パターンが三日月型になる

空気キャップに塗料が詰まることで、角孔の左右の強さが異なることがあります。空気キャップを洗浄してみましょう。


  • ●エアーが止まらなくなった

空気弁に固形物が付着し、閉まらないのかもしれません。空気弁を清掃してみましょう。


  • ●引き金を引いても塗料が出ない

何らかの理由で空気が来ていない可能性があります。空気量調節つまみや空気の通り道を確認しましょう。また塗料カップの空気孔も同様に確認・洗浄してください。

まとめ

美しく塗装するには、スプレーガン本体はもちろんコンプレッサーの確認も必要です。その上で塗料を吹きつける範囲や用途を事前に確認し、適切なスプレーガンを選定して正しく使用しましょう。