スポットクーラーの種類と選び方
スポットクーラーとは
スポットクーラーとは、通常のエアコンと同様にコンプレッサーによって冷たい空気と暖かい空気に分け、冷風のみを指定した場所に送風してくれる装置です。
エアコンにおける室外機が本体と一体となっているため、排気口からは暖かい風が吹き出します。そのため、スポットクーラーが照射されている方向は冷えますが本体付近は逆に温度が上がってしまうことも考えられます。そのため、機械管理などで一箇所から離れない、限られたスペースでのみ作業する場合などに大きな効果を発揮します。一方で、ある程度のスペースを冷やしたいといった場合には、オプションの延長排気ダクトを使用することで暖かい空気を室外に逃し、全体的に室温を下げることも可能です。
スポットクーラーは、構造上、クーラー内にたまった水を排水できません。ドレンを使用して常時排水可能な状態にするか、定期的にタンク内の水を捨てる必要があるのです。スポットクーラーの中には、機械内で水分を蒸発させるノンドレン機能が付属しているものもありますが、作動中は、室内の湿度が下がることはありません。
スポットクーラーは、使用する電源や吹出口の数、機能などで選ぶことができます。
使用電源で選ぶ
スポットクーラーには、単相100ボルトと三相200ボルトの2種類の電源方式があります。
単相100ボルトは、一般家庭のコンセントはもちろん、通常の事務所などで使用されている電源方式です。
一方の、三相200ボルトは、大型の商業施設や作業現場、工場などで使用されているもので、業務用エアコンや業務用の厨房機器などには、三相200ボルトにしか対応していない製品もあります。
また、同じ200ボルトでも単相200ボルトというのも存在しますが、こちらは一般の家庭向けの電源で、集合住宅などでエアコン設置部分のみ単相200ボルトが導入されているところもあります。
業務用として使用する場合、導入資金は三相200ボルトの方が割高になってしまいますが、電気代が単相100ボルトに比べ半分近く安くなるため、ランニングコストを考慮すると三相200ボルトのスポットクーラーの方が経済的です。
吹出口の数で選ぶ
スポットクーラーには、吹出口の数によって1つ口、2つ口、3つ口といったタイプに分かれています。それぞれの吹出口は可動式ですから、任意の方向を複数冷却することが可能です。また、製品によってはオプションで分岐ダクトが用意されているものもありますから、後付けで吹出口を増設することもできます。
1つ口
2つ口
3つ口
機能性で選ぶ
スポットクーラーは機能で選ぶことができます。
首振りあり
首振り機能が搭載されたスポットクーラーです。比較的広い範囲を冷却することができますが、同時に本体から温風が吹き出ているため、全体的に冷やす効果は高くありません。広範囲に対応したい場合、延長排気ダクトなどを使用し、室外に温風を逃がす工夫が必要になります。
首振りなし
首振り機能のないオーソドックスなスポットクーラーです。定点冷却にすぐれていますので、移動することが少ない業務や、少人数を対象にした場合に高い効果を発揮します。複数の場所を冷却したい場合は、オプションの分岐ダクトなどを利用する必要があります。
スポットクーラーは、任意の場所で使用できる移動型のクーラーです。作業環境を適切な温度に保つことは、従業員の集中力を高め、安全で効率的な作業を行うことができます。スポットクーラーは、冷やしたい場所をピンスポットで冷却できるため、コストパフォーマンスにもすぐれた設備機器と言えるのです。