工具の通販モノタロウ 水糸 水糸 各種材質による主な特徴

水糸の種類と使い方

水糸は、建築現場などで水平を取るために用います。日曜大工でもブロックを積む際に使われており、基礎工事では必ず必要となってくる道具です。一口に水糸といってもいくつかの種類が存在していて、それぞれで特長が異なります。材質や特長の違いを知り、水糸の使い方をマスターしてみましょう。

水糸の材質別種類について

水糸は大きく分けて合成繊維、天然素材の2種類ありますが、一般的には強くて安価な合成繊維が使われることが多いです。天然素材の水糸は、用途に応じて選びましょう。

合成繊維には、ポリエステルやポリエチレンなどの種類がありますが、中でも一般的なのがナイロンです。軽くて強い性質を持ち、広範囲の用途に使用できます。

ポリエステルはナイロンより伸びにくく、水分を吸収しないのでダレが少なく、ピーンと張ることができます。ポリプロピレンは有害物質を含まない地球に優しい繊維です。乾きやすく軽量という特長を持っています。ポリエチレンはナイロンより丈夫で軽量、安価で出回っており、購入しやすいのがメリットです。ゴムは収縮性に優れているのでダレがありません。糸は太めになっており、写真にもくっきりと写りやすいのが特長です。

天然素材は純綿と絹の2種類があります。純綿は滑らずしっかり結ぶことができるのが特長で、園芸や料理、タコ糸など、水糸の本来の用途以外で使う際にも便利です。絹は墨の付きがよく伸びがないので、正確な直線が引けます。

合成繊維
ナイロン ・一般的
・軽くて強い
・広範囲の用途に使用可能
ポリエステル ・ナイロンより伸びにくく、水分を吸収しない
・ダレが少なく、ピーンと張れる
ポリプロピレン ・有害物質を含まない
・疎水性が高く乾きやすい
・軽量
ポリエチレン ・ナイロンより丈夫
・軽量
・安価
ゴム ・伸縮性に優れている
・ダレが少なく、現場写真に適している
・糸の太さが太めに設定されている

天然素材
純綿 ・滑らずしっかり結べる
・園芸や料理、タコ糸として利用可能
・墨の付がよく、伸びない
・正確な直線を引くことができる

水糸の使い方

レンガやブロックを積む外構工事、建物の基礎をつくる場合には、水糸が欠かせません。これなしではプロでも水平を取るのは難しいため、必ず準備しておきましょう。安価で購入できるので、日曜大工をする際にも用意しておくのがおすすめです。

水糸は何度も付けたり外したりするもので、結び方がとても重要となります。また、水平を取るための正しい張り方も覚えておきましょう。

結び方

水糸は、普通に結ぶと外すのが大変になってしまいますし、水平を取るときに微妙なズレも生じやすいので、専用の結び方を取り入れましょう。板にグルグルと巻きつけるやり方が一般的です。水糸を張る長さより多少長めに糸を切っておき、水糸がたるまないよう引っ張りながら板に2~3回巻きつけます。糸を巻きつける箇所にはあらかじめ釘を上の部分に打っておき、水糸は釘の左右を交互に通るよう、8の字を描きながら巻きつけましょう。こうすることで糸が横にずれるのを防ぐことができます。水糸の先端は糸を巻いた下に滑り込ませて上に引き上げると、糸と板の間に挟まれ簡単には抜けません。外す場合は端を引っ張るだけなので簡単です。

また、輪にした水糸を釘に通すやり方もあります。これは非常に簡単で、輪にした水糸の先端を釘に引っ掛けるだけです。輪にする場合は片方を引っ掛けておき、もう片方を引っ掛ける部分がやっと板に届くくらい思いっきり引っ張りながら、先端を折り曲げて輪をつくり、常にテンションをかけた状態で水糸を張りましょう。

張り方

水糸を巻きつけるための板は「遣り方」という手法を用います。地面に杭を2本打ち、杭の水平を出してからマーキングしましょう。印に合わせて水貫と呼ばれる板を横に通し、水平を保つように取り付けます。そして、水貫の上の部分のセンターに釘を打ちましょう。水糸を張る高さや横位置は決まっているわけではありませんが、ブロックを並べる場合はブロックの横方向に1cm程度ずらして張ります。

建物の基礎工事で根切りをする場合は、型枠を設置するときに水糸が邪魔にならないよう、型枠からわずか上の位置に設置しましょう。型枠建て込みの場合は、高さは同様で型枠材のラインに沿うよう張り替えると便利です。このほうが、型枠が真っ直ぐに作られているかを同時にチェックすることができます。

水糸は、安価で使いやすいことからナイロン素材のものがよく活用されていますが、実際に使用する際は、用途に合わせて適切な種類を選びましょう。水糸を張る方法は、DIYレベルでしたら遣り方を作成せず、ピンポールやブロックに直接結び付けて水平を計る方法もあります。水糸は趣味の大工仕事から、プロの建築現場まで使える道具ですから、その種類と使い方をぜひ覚えておきましょう。

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