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リーマの選定ポイント

リーマは、あらかじめドリルなどで開けておいた下穴を所定の寸法に調整したり、精度を高めて仕上げたりするための切削工具です。円筒形もしくは円錐形の形状をしており、その本体についた複数の刃で穴を加工します。しかし種類が多く、選定に迷うことも。そこで、リーマを選ぶ際のポイントについて見ていきましょう。

(1)用途を確認する

リーマには、下穴のサイズ調節や仕上げ面の加工など、いくつかの役割があります。まずはどんな用途で使用するのかを明確にし、ざっくりと種類を決めましょう。

  • 【手作業用リーマ】
  • 手作業用リーマ

主に穴径の仕上げを手作業で行うためのリーマです。柄の後方に取り付けられている手回し用ハンドルを回して使用します。使用用途は、材料の硬さが低いものや、バリ取りなどです。


  • 【高速加工用機械リーマ】
  • 高速加工用機械リーマ

ボール盤やマシニングセンタなどの機械に取り付けて使用するリーマです。粗仕上げ用や精度の高い仕上げ用などがあります。超硬リーマなどを使えば、硬度の高い材料も簡単に仕上げが可能です。


  • 【テーパ穴加工用リーマ】
  • テーパ穴加工用リーマ

穴の奥が細くなっている、テーパ穴を加工するためのリーマです。テーパリーマ、テーパピンリーマなどがあるほか、機械作業用と手回し作業用があります。


  • 【刃径調整用リーマ】
  • 刃径調整用リーマ

刃径(穴)の寸法を調整するためのリーマです。調整範囲がサイズごとに設定されており、内径を細かく調節することが可能。自在リーマ、アジャスタブルリーマと呼ばれることもあります。

(2)刃径寸法公差を確認する

寸法公差とは、寸法の基準値からずれても許される範囲の最大値と最小値の差のこと。機械加工においては、指示された基準値と全く同じ寸法に加工することはほぼ不可能です。穴を開ける際には基準値よりも大きな穴になってしまったり小さな穴になってしまったりするでしょう。 そこで部品ごとに許される寸法の最大値と最小値が決められており、この範囲内に実際の寸法を収める必要があります。リーマを選定する際は、刃径公差を確認して使用条件に合った製品を選びましょう。

とはいえ、多くの機械部品は穴と軸をはめ合わせて使用します。いくら穴が公差の範囲内であっても、たとえば穴がマイナス側にズレていて軸がプラス側にズレていては穴に軸が通りません。通常は部品の設計時に寸法公差も決められるので、よく確認しましょう。ちなみにリーマの場合、ほとんどのリーマはプラス公差に作られています。

(3)シャンクを確認する

シャンクとは、柄の部分のことです。シャンクにはいくつか種類があり、この部分を電動工具や機械に取り付けて使用します。シャンクと取り付け部の形状はもちろん、長さや太さが異なるとせっかく購入しても合わないということもあるので、必ず事前に確認しておきましょう。

【ストレートシャンク】

円筒状で、先端から軸まで同じ太さのシャンクです。ストレートシャンクの中にも種類があり、端に四角部が取り付けてある「四角部付きストレートシャンク」や、滑り止めのためにシャンクの一部がフラットになっている「フラット付きストレートシャンク」などがあります。

【テーパシャンク】

円錐状のシャンクで、先端が細くなっています。テーパ穴用のリーマとは異なるので気を付けましょう。テーパシャンクの中にも、「タング付きテーパシャンク」や「ねじ付きテーパシャンク」など種類があります。

(4)刃形を確認する

リーマの刃の形状は製品によって様々で、一般的には数枚の刃が直線状についているもの(ストレート)や、ドリルのように螺旋を描きながらついているもの(スパイラル)などが挙げられます。 また螺旋状の場合、右ねじれ・左ねじれによって硬い材料でも加工しやすい・切りくずの排出がスムーズといった特徴があるので、作る製品や使用条件に合わせて選定しましょう。

一般的に円筒形の刃の場合は穴も円筒形で一定になりますが、その分サイズが固定されてしまいます。(調節できるタイプもあります。)円錐形の刃の場合は切り込み深さによって広いサイズの穴に対応できますが、その分穴も円錐形になるという点が特徴です。

またドリルのように突っ込みによる穴あけ作業を行う場合は底刃が必要になるので、底刃の形状も確認しておきましょう。

  • ストレート刃
  • ストレート刃
  • スパイラル刃
  • スパイラル刃
まとめ

リーマによって加工される製品は、高い精度を求められる自動車部品や航空機部品、電子部品など幅広い分野で活躍します。その分リーマの選定は良い製品を産み出すためにとても重要なので、多方向から検討して適切なものを選びましょう。