絆創膏の種類と選び方
絆創膏とは
細菌などが傷口から侵入することを防ぎ、傷の治りを早める効果が期待できる衛生材料です。サージカルテープ、ドレッシングテープといった名称で呼ばれることもありますが、傷口を保護し、治りをスムーズにするという点では同じです。
傷口を保護するという目的では、サージカルテープや、ドレッシングテープがありますが、こちらの記事では、バンドエイドやカットバンなどと呼ばれる、テープとガーゼが一体化している、小さな傷に向けたものを紹介します。
絆創膏ですが、用途は同じでも日本国内各地では絆創膏を表す呼称が異なっており、それらはその土地と縁のあるメーカーの商標から呼ばれているものもあれば、はっきりとした経緯が分からずに呼ばれているものもあります。
絆創膏 | 新潟県、長野県、石川県 など |
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バンドエイド | 関東地方、大阪府、兵庫県 など |
カットバン | 東北地方、岡山県、高知県 など |
サビオ | 北海道、和歌山県、広島県 |
リバテープ | 福岡県、熊本県、奈良県 など |
キズバン | 富山県 |
※地域内でも、各家庭でのばらつきはあります
絆創膏の種類と選び方
絆創膏は、傷口の大きさに合わせて小さいものから大きいものまで幅広いサイズが用意されているだけでなく、絆創膏自体の素材や、得意な使用環境といった点からも選ぶことができます。
素材から選ぶ
絆創膏の素材には、大きく分けて塩ビタイプのものと、不織布に代表される非塩ビタイプのものに分けられます。
塩ビタイプは、もっとも流通している絆創膏のタイプです。価格も安く、伸縮性に富んでいます。カラーバリエーションも豊富でリアルな肌色のアイテムも多くあり、貼る場所を選ばないことが特徴です。
ポリオレフィンやウレタン不織布などがあります。不織布タイプの絆創膏は、通気性にすぐれているという特長を持ち、職場などで取り替えることが困難な場合でも、長時間貼り続けても蒸れずに使用することが可能です。
用途から選ぶ
絆創膏は、使用環境や用途から選ぶことができます。
防水・耐水タイプの絆創膏は、水に強く、水仕事などをしても剥がれたり、効果が弱まったりすることが少ないという特性を持っています。防水性の絆創膏には、従来の絆創膏の粘着力を強めたタイプのものと、接着剤のように患部に塗ることで水の侵入を防ぐジェル状、液状の絆創膏も用意されています。
パッドがなく、乾燥による手荒れなどから装着部位を守るための絆創膏で、特定の部位用からガムテープのように巻かれたロールタイプのものなどがあります。
絆創膏の中には、ハイドロコロイドタイプや湿潤性と呼ばれる傷の治りを早めてくれるタイプのものもあります。軽度な切り傷などの場合、傷口から透明な体液が出てくることがありますが、この体液には傷の治癒を早めてくれる効果が含まれています。ところが、従来の絆創膏だと有効成分まで吸い上げ、乾燥させてしまうことからかえって傷の治りが遅くなってしまうこともあるのです。
治癒促進絆創膏は、この体液を絆創膏内に閉じ込めることで、効果的に傷口をケアしてくれるのです。
注射・採血・点滴・関節穿刺後の被覆保護などのために用いられる絆創膏です。太い注射針を用いた後の圧迫止血用にパッド部が分厚いものなどもあります。
金属探知機に反応するようにパッド部分に複合アルミなどを配合した絆創膏もあります。これは、食品工場や組立工場で万が一作業中に絆創膏が剥がれ落ち、商品に混入した際でも、金属探知機によってすぐに発見できるように開発されたものです。金属探知機対応絆創膏は、目視でも確認しやすいようあざやかな青やピンクをしたものが多くなっています。
サイズ・形状から選ぶ
絆創膏には様々なテープ幅やパッド寸法があり、そして形状にも指先用や関節部位用などのバリエーションが用意されています。
絆創膏には、傷口の大きさに合わせてさまざまなサイズのアイテムが用意されています。通常サイズをテープ幅19mm程度とすると、大きいものでは60mm、70mm、といったサイズのものまで用意されています。
絆創膏を効果的に使用するためには、傷口がしっかりとパッドの中に収まっている必要があります。多くの場合、絆創膏の商品説明欄にはテープ幅と並んでパッド寸法が記載されていますので、傷口の大きさにあったパッド寸法の絆創膏を選ぶようにしましょう。
絆創膏には、スタンダードなオーバル形(楕円形・長円形)のものから、先述の穿刺保護用絆創膏を含め、保護したい部位に特化した特殊な形状のものが用意されています。指先や関節など、オーバル形の絆創膏では貼りにくいと感じたら、それらの部位に特化した絆創膏を選んでみても良いでしょう。
絆創膏は、軽い切り傷や擦り傷の応急処置に効果を発揮します。絆創膏を使用する際は、傷口をよく流水で洗い、異物をきれいに落してから使用すると効果的です。絆創膏を貼る前は、消毒液などを使用する必要はないと言われています。消毒液の中には、細菌だけでなく傷口周辺の細胞までダメージを与えることもあるため、かえって治りが遅くなることもあるからです。