蓄光テープのグレードと蛍光・反射との違い
ここでは蓄光テープの特長や、蛍光・反射とはどう違うのかをわかりやすく解説し、また、グレード別の比較をご紹介します。
蓄光とは
蓄光とは、その名の通り光を蓄えて暗所で光ることを意味します。実際には明るい場所でも発光はしているのですが、周りが暗くなることで明るく見えるのです。
蓄光顔料を含んだテープが「蓄光テープ」です。蓄光顔料は太陽光や蛍光灯などの光エネルギーを蓄え、この時受けた紫外線領域の波長エネルギーを可視光として放出します。
蓄光テープはグレードに応じて価格が高くなりがちですが、電気を使わず二酸化炭素(CO2)の排出もなく、貼るだけで特定の箇所を光らせることができるため便利で気軽に使いやすいアイテムとして幅広く使用されています。
蓄光・蛍光・反射の違い
蓄光と同じく光る特性に「蛍光」と「反射」があります。それぞれ粘着テープとして製品化されていますが、それぞれの違いをご存じですか?
まず、「蛍光」は蓄光と違い明るい場所で目立ちます。受けた光をすぐに放出する仕組みで、光が届かないと発光しなくなります。一方、蓄光の場合、受けた光を持続的に放出する仕組みで、その後暗所でも発光し続けます。(発光時間はグレードによって異なるため詳しくは後述します)
では、「反射」の場合はどうでしょうか。反射は光源からの光を受けて反射することで明るく光って見えます。そのため暗所でも光源があれば視認が可能です。遠方からでもライトなどの使用により目立たせることができます。そのため交通安全のシーンで使用されることが多いです。

蓄光テープのグレード別比較
蓄光テープはJIS規格によって4つのランクに分けられています。
200ルクスの蛍光灯を20分間照射した場合、それぞれの発光時間を比較したものが以下の表です。

蓄光テープは防災用として使用されることも多いですが、上記に挙げたJIS規格以下のレベルでは価格は安くても肝心な時に役割を果たさない可能性があり、適さないと言えるでしょう。非常用・防災用としてはJCクラス以上の「高輝度タイプ」を推奨します。



蓄光テープは、テープの中では比較的値が張るものですが、予算だけで決めてしまうと目的に見合わない結果になるかもしれません。
例えば、被着体や周りの温度も一つのポイントです。低温下では輝度(明るさ)が落ちますが、発光時間は長くなります。冷蔵庫・冷凍庫内においてはJDクラスレベルでないと発光しないのでご注意ください。
一方、高温下においては発光時間が短くなって逆に明るくなります。お湯に付けるとさらに明度が向上します。
また、LED照明の下で使用される場合は、高輝度の蓄光を選ぶ必要があります。
このように、蓄光テープは用途や使用環境(屋内・屋外、気温、光源など)に応じて選ぶことがポイントです。是非、使用するシーンや環境を思い浮かべて状況に適した商品をお選びください。