リークテスターの特長と検査方式
リークテスターとは
リークテスターとは、その名の通り、リーク(漏れ)のテスター(検査器)です。配管や部品、完成品などに漏れがないかを検査するもので、加圧や減圧による圧力変化から、ガス・空気・水の漏れを電気的に検知します。 リークテスターの方式は、油圧、水圧、空気圧がありますが、現在主流となっているのは空気圧方式です。
漏れを検査する方法は、以前より目視によって行われてきました。パンク修理が分かりやすい例です。チューブを水中に沈め、空気の漏れを目視によって検査します。このように水の中で漏れを検査する方法を「水没目視検査」と言います。
漏れの個所が分かるという点では、パンク修理などには向いていますが、検査の技量を必要とすることや、数値としての管理ができないなどの理由から、生産ラインに導入するような自動化は不可能です。 近年になって、漏れ量を数値として把握でき、自動化を可能にする装置としてリークテスターが普及し始めました。
リークテスターを利用した検査と水没目視検査の特長
- <リークテスター>
- 空気式であれば、ワークを汚すことなくドライな状態で検査ができ、検査後の乾燥工程も不要なので作業の効率化に繋がります。水没検査と違い、錆の発生も心配ありません
- 漏れ量の許容範囲を数値として管理できるので、生産ラインでの良品と不良品の選別が可能となります
- 個人が行う目視式検査と異なり検出力に差がなく、短時間で検査を行うことが可能です
- <水没目視検査>
- 漏れ箇所は確認できますが、検査する人によって個人差が生じます
- イニシャルコストは低いですが、個人による検査なのでランニングコストがかかります
- 検査後の乾燥工程を必要とし、また水没による錆の心配もあります
リークテスターのワーク方法は、内圧式や内圧チャンバー式、外圧式に加え、半導体式と赤外線呼吸式があります。それぞれの方法を解説しましょう。
- <内圧式>
- ワーク内部を加圧する方法です。加圧後、外部への漏れによるワーク内の圧力変化の有無を検出するもので、開口部の多いワークに適しています。
- 加圧→ワーク内
- 圧力測定→ワーク内
- <内圧チャンバー式>
- チャンバー内に置かれたワークに加圧し、チャンバー内の圧力変化の有無を検出する方法です。ワークを入れた状態のチャンバー内の空間が小さいほうが、より感度が上がります。開口部と凹凸が少ないワークに適した方法です。
- 加圧→ワーク内
- 圧力測定→チャンバー内
- <外圧式>
- 外圧式はチャンバー内を加圧する方法です。加圧によってワーク内へ漏れ出たチャンバー内の圧力変化を検出するもので、密閉型容器の検査に適しています。
- 加圧→チャンバー内
- 圧力測定→チャンバー内
- <赤外線吸収式>
- 赤外線を吸収することで微量のもれも検出できる方法です。干渉ガスの影響は受けにくく、反応時間が速いことが特長であり、新冷媒の検査に適しています。
- <半導体方式>
- 赤外線吸収式に比べ干渉ガスの影響を受けやすく、温度や湿度にも影響されやすいですが、高感度で寿命が長いことが特長です。
リークテスターの特長と検査方式、目視式検査と比較してのメリットをお伝えしました。漏れ量の数値化で部品や製品の生産管理を徹底することができ、目視式検査に比べイニシャルコストがかかるものの、作業効率が上がることに期待できるでしょう。 ただし作業効率を上げるには、それぞれのワークに適した検査方式のリークテスターを選ぶことが重要です。
リークテスターは持ち運びのできる小型のものから、生産ラインに導入できるタイプまであります。モノタロウでは、電気計測器として各検査方式のリークテスターを多種取り扱っており、それぞれの商品の特長や用途、検知方式も詳しく表示されているので、最も適したリークテスターをお選びいただくことが可能です。