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錐の使い方

錐は釘やネジの下穴を作るための工具です。昔から使われている大工道具のひとつで、穴を開けるだけのシンプルな作業をこなせます。穴あけにはドリルなどの電動工具も用いられますが、準備の手間がかからずスペースもとらないので、状況によっては錐のほうが便利な場合もあります。

錐とは

錐は細い穴を開けるための大工道具です。釘やネジを打つ前に下穴を作っておくと、板を割らずに仕上がりがきれいになります。木工に慣れていない場合は特に、錐を使って下穴を作るという下準備が大切です。 錐はドリルなどの電動工具と比べて穴の大きさを変えるパワーや自由度はありませんが、手軽ですぐに使えるメリットがあります。

錐は、刃の形によっていくつかに分類できます。大きく分けて、三つ目錐、四つ目錐、ネズミ歯錐、ツボ錐の4つです。

【三つ目錐】

ネジの下穴に向いています。

三つ目錐

【四つ目錐】

三つ目錐よりも穴が小さいため、主に釘の下穴に使われます。穴が小さいのが特徴です。

四つ目錐

【ツボ錐】

埋め木穴やダボ穴などが主な用途です。軟木でもきれいに穴を開けることができます。

ツボ錐ツボ錐(2)

【ネズミ歯錐】

ツボ錐とともに、埋め木穴やダボ穴、吊り穴などに用いられることが多いです。硬い木にも使うことができ、穴の精度を求めるときにも活用できます。

ネズミ歯錐

これらは数個の下穴を作るときに便利です。電動ドリルを準備するほどではない作業に適していて、工具箱から出してすぐに使える利便性があります。 軽くて持ち運びしやすく、電源も不要なため、手軽な工具だといえるでしょう。錐にもサイズや種類があるので、適切なものを選んでください。ネズミ歯錐やツボ錐の出番は少ないものの、四つ目錐や三つ目錐は使用する頻度も多い工具です。

錐の使い方

穴あけする箇所に先端を当てたら、柄の部分を両手の手のひらではさみ、すりながら押していきます。下に力をかけるように、手の位置を少しずつ下に持っていきましょう。錐が板の下に突き出てもよいように、板の下は空けておきます。

まっすぐに穴を開けることを意識し、錐は常に垂直になるよう調節しましょう。また、最初は穴がずれないようゆっくりと動かし、安定してきたら強めに押し込むのがコツです。 錐もみの開始は、回転軸が不安定になりやすいため、狭い範囲で力をかけましょう。ただし、これだと下への力がかかりにくく、効率が悪くなるので、安定したらもみこむように手を下に移動させてください。また、ツボ錐はもみはじめに位置が決まらないため、半球状の穴があくまで片手で押し回します。

なお、板を固定せずに片手で持ち、もう片方の手で錐を持つ開け方は危険です。必ず板は作業台において、上から下へと力をかけてください。また、錐がはまって抜けなくなった場合は、片手でねじって抜きましょう。両手でもみながら抜くと、突然抜けて柄が顔に当たることがあるので避けてください。

また、錐の先端は繊細なつくりとなっているため、傾けず、垂直にして使いましょう。斜めにすると先端が折れることがあります。もし刃先が折れた場合は、目立てヤスリで研ぐことができます。ツボ錐はスティック砥石を使ってください。 刃の損傷が大きくなった場合は、刃のみでも売られているので取り替えましょう。その際には、刃を万力やプライヤーではさみ小型バールを差し込んで抜き、抜いた穴に新しい刃を入れて金づちでたたきます。

まとめ

錐は釘やネジを打つ際の下穴作りに役立ちます。下穴を数本開ける際には、電動ドリルより錐のほうが使い勝手がよく便利です。下穴は仕上がりを美しくするために重要な工程なので、手間を惜しまず錐を使いましょう。初心者から上級者まで幅広く使う工具なので、使い方を覚えておいて損はありません。

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