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カムロックの構造と使い方

カムロックとは、ツインカム構造のアームを持ち、衝撃や振動などによる急な脱落を防ぐ特殊な設計の継手です。現場の安全性を高めるだけでなく、着脱も容易なため作業時間の短縮にもつながります。ここでは、カムロックの特徴や構造などをご紹介しましょう。

カムロックとは

継手を使用する現場では、使用中の振動やアームに対する物の接触などを原因として継手のアームがひとりでに開き、突然継手が脱落してしまうトラブルが発生することがあります。継手がふいに脱落すると、パイプやラインの内部の流体が噴出するなどして非常に危険です。このようなトラブルの防止策としてアームを針金やヒモでしばって固定している現場もありますが、これらの対策は現場の手間を増やしてしまうため、すぐれた対策とは言えません。カムロックは、独自の二段締め付け構造のアームによってこのような継手の脱落を防止することができる継手です。その安全性から、化学・食品製造・製薬・製鉄・製油など各種製造業の製造ラインや給排水管等、船舶の給排水設備、土建業、輸送車両やタンクローリーの各種パイプなど、あらゆる設備において幅広い使用実績があります。

カムロック

カムロックの構造

カムロックのすぐれた構造とは一体どのようなものでしょうか。

一般的な継手の場合、もしも使用中に振動や衝撃などで継手の接続が緩んでアームがひとりでに開きかけると、すぐに完全にアームが開いてしまいます。一方、カムロックはアームが独自の二段締め付け方式となっており、45度の角度まで開いたところで一旦停止します。この特性によって突然の継手脱落を防ぐことができるだけでなく、45度で止した状態となるため、現場の作業者に危険を知らせることができるのです。

カムロックは、大まかに言ってカプラー、アダプター、カムアームで構成された継手です。このうち、カプラーおよびアダプターの素材はアルミ合金、ブロンズ、ステンレス鋼、ポリプロピレンなどが挙げられ、それぞれの特性は異なります。

アルミ合金は水や油のパイプに適した軽量の素材、ブロンズは耐久性が高く、高温の流体の移送にも適した素材です。ステンレス鋼・ポリプロピレンは、高耐食性を活かして食品や薬品、その他腐食性の高い液体に対して使用することができます。

カムロックの使い方

カムロックの使い方は簡単で現場の作業者の手間を取らず、熟練した技術も必要としません。着脱方法を詳しくご説明しましょう。

カムロックの取り付け方

(1)カプラーに付属したカムアームを最上部まで押し上げた状態で、カプラーをアダプターに差し込みます。

(2)両側のカムアームを両手で持ち、同時に下ろします。このとき、必ず両方同時にカムアームを下ろすことがポイントです。カムロックの締結は強固なため、片方ずつカムアームを下ろそうとすると後から下ろすカムアームが硬く、動かせないこともあるため注意しましょう。

(3)本体の側面に当たるまで、両方のカムアームを完全に下ろします。

カムロックの取り外し方

(1)内部に残圧がない状態で、なおかつ、カムロック全体が十分に冷却されている状態であることを確認します(高温の流体で使用していた場合)。

(2)両方のカムアームを持ち、同時に横に引き始め、最上段まで押し上げます。内部の流体の流出に注意しながら作業を行って下さい。

(3)カムアームが最上段まで押し上げられている状態で、アダプターからカプラーを抜き出します。カムアームの押し上げが不十分だとカプラーが抜けないことがあるため、きちんと押し上げましょう。

まとめ

カムロックは二段締め付け構造の特殊アームを持つ継手で、急な脱落を防止することができます。作業者の手間を減らし、現場の安全性を高めることができるすぐれた製品であるため、ぜひ現場への導入を検討してみてはいかがでしょうか。

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