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インバータの基礎知識

インバータは、モーターの回転速度を変えて駆動するために最も必要な装置です。今回は、このインバータが果たす役割やその動作原理などについて分かりやすく解説してみたいと思います。

インバータの役割とは

インバータは何のためにあるのでしょうか。そもそも電気には交流と直流という2種類の電気があります。身近なところで言うと、自宅などのコンセントの電気は交流で、乾電池の電気は直流に分類されます。交流は電圧と周波数が一定であり、国によって統一されています。交流の電気の電圧や周波数は、交流のままでは自在に変更することができません。電圧や周波数を変更するためには、交流の電気を一旦直流に変換し、再度交流に戻す必要があります。そしてこの交流から直流に変換し、再度交流に戻す装置のことを「インバータ装置」と言い、交流から直流にする回路を「コンバータ回路」、直流から再度交流に変換する回路を「インバータ回路」といいます。
日本においては、インバータ回路、コンバータ回路、その間にあるコンデンサーなどの装置をすべて含めて「インバータ」と呼んでいます。つまり、インバータとは、電気の電圧や周波数を自在に作り出す事ができる装置なのです。

インバータの役割とは

インバータはどんな物に使われているの?

インバータは私たちの日常生活において使用するものに、密接に関係しています。例えば、皆さんのご自宅にあるようなエアコンなどはモーター駆動であり、電圧と周波数の両方をインバータによって変化させています。また、電磁調理器や炊飯器、蛍光灯にもインバータが使われていますが、これらの製品については、電圧はそのままで、周波数のみを商用電源の周波数よりも高く変化させるインバータが使用されています。またコンピュータの電源装置にもインバータが使われていて、電圧と周波数を一定に保つ働きをしています。

インバータはモーターの可変速が可能

モーターはモーターの原理によって回転しているため、回転速度を無段階で連続的に変化を加える事はできません。そこで登場するのがインバータです。インバータは周波数を自在に操る事が出来ます。そして周波数はモーターの回転速度に影響を与えるため、この性質を利用して、インバータによって周波数を制御することで、モーターの回転速度を連続的かつ自在に制御することができるのです。
ただし、ここで一つの問題があります。
回転速度の制御自体はインバータによる周波数の制御のみで実現可能ですが、仮に周波数のみを変化させて下げていくとモーターの交流抵抗が下がってしまい、その結果大量の電流がモーターに流れて焼損してしまうため、実際は周波数だけではなく、それに合わせて電圧についてもインバータによって変化させる必要性があるのです。このようなインバータをVVVFインバータと言います。

インバータはモーターの可変速が可能

周波数と電圧の関係性

このように周波数の変化だけで制御できるモーターも、実際は周波数と一緒に電圧も変化させる必要性があります。この周波数と電圧の関係性は「正比例」であり、周波数と電圧が一定の状態でモーターを運転することが、最適な運転と言われています。このように周波数をもとに電圧が自動できまる制御方法を「Vf制御」と言います。

トルクの低下とトルクブースト

モーターの運転時に周波数が低くなると、電圧降下の影響が大きくなるため、結果としてトルクが低下します。そのため、低周波数領域については一定よりも電圧を少し上げる必要があります。これを「トルクブースト」といいます。

このようにモーターの回転速度は、周波数の変化を利用して制御することができ、またその周波数と正比例するかたちで電圧も制御する必要性があるのです。そしてこの周波数と電圧の両方を自在に制御できるのが「インバータ」なのです。

トルクの低下とトルクブースト

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