ホースの種類と選び方
ホースとは
ホースとは、液体や気体、粉体といった物質の移動や搬送に用いられるアイテムで、素材や形状によってさまざまな種類のホースが販売されています。
ホースを選ぶさいは、目的や使用する場所をよく確認し、ホースの持つ特性と合致したものを選ぶ必要があります。
タイプで選ぶ
ホースは形状によりさまざまなタイプのものに分類されます。

エアーホース
圧縮空気や酸素といった気体の搬送に用いられるため高い気密性と耐圧性を備えています。コンプレッサーなどに使用されています。

コイルホース
ポリウレタンなどの素材で作られカール状に加工されたホースです。伸縮性やねじれ耐性に強く、フレキシブルな動きが可能です。エアーブラシや工作機械などに使用されています。

ブレードホース
補強材が組み込まれたホースです。通常のゴムホースに比べ1/3~1/5程度の軽さながら高い耐油性、耐圧性を持っています。

樹脂ホース
ポリウレタンやPVCを使用したホースです。耐寒性能に優れ耐薬品性能も高いため酢酸やグリセリンの搬送に用いられることが多いです。

ダクトホース
排気や集塵に用いられるホースで、塩化ビニールなどで作られているため高い静電防止効果が望めます。使用環境により耐熱性や耐薬品性が高いものがあります。エアコンの室外機や送風機などにも使用されています。

サクションホース
感慨や土木工事などの給排水用にも用いられるフレキシブルなホースです。水・油・粉体などに適応したアイテムもあります。

ゴムホース
素材に合成ゴム・天然ゴムを使用したホースです。使用温度範囲も広く耐摩擦性・耐老化性に優れていますが食品用としては使用されません。

フッ素・シリコンホース
耐薬品性・耐候性・耐腐食性などに優れています。高い耐熱性を持っており非常に広い温度範囲の中で使用できます。さまざまな用途に使用できるホースです。

給排水用ホース
PVCやポリエステル繊維で作られた一般的なホースです。コストが安く使用頻度の高いホースです。一般家庭でも広く使用されています。

耐圧・耐摩耗用ホース
造船関係や土木関係で広く利用されているホースです、アースが封入されていて安全性が高められているものが多いです。

耐油・耐火ホース
軽油・灯油・重油といった油製品の搬送に使用されるホースです。高い耐油性を持っています。

食品用ホース
清涼飲料水や酒類の搬送に用いられるホースです。合成樹脂製のものが多いですが、素材によって耐熱性や耐薬品性にすぐれたものもあります。

静電防止用ホース
銅線などが含まれ優れた静電防止効果を持つホースです。プラスチックペレットや炭酸カルシウムなどの搬送に使われます。精密機械などをあつかうクリーンルームなどの使用にも適しています。
使用流体で選ぶ
ホースは、何を流すかによっても違ってきます。使用流体には水や食品、薬品や油、空気などさまざまなものがありますから、上記のホースの特性やタイプなどを参考に選ぶようにします。
特性で選ぶ
使用流体によってホースにはさまざまな特性を持つ必要があります。使用流体によっては扱いを間違えると危険なものもありますから十分に注意する必要があるのです。
低臭
素材の臭いが少ない、あるいは無臭のホースでポリエステルやシリコン素材のものが該当します。
帯電防止
合成樹脂や塩化ビニールで作られていて高い導電効果(静電防止・帯電防止)効果が期待できます。
耐候性
耐候性とは、屋外での使用時における材質の劣化や変化に対する耐性にことです。ナイロンや構成樹脂で作られたものが多く、使用目的によりさらに耐油性などが加えられていることもあります。
耐寒性
低温によるひび割れや損傷が少ない性質です。ポリウレタンなどが素材で用いられることが多く、マイナス30度の低温にも耐えることができます。
耐薬品性
アルカリ性や酸性の流体はもちろん、アルコールや水酸化ナトリウム、アンモニアなどの薬品に対する耐性も備えています。ナイロンや合成樹脂製のものがあります。
防藻性
屋外で使用する水用のホースなどの場合、ホース内に藻が発生し目詰まりしてしまうことがあります。ホースの表面を加工し太陽光をカットすることで光合成を防ぎ、ホース内の藻の繁殖を防ぎます。
内径・外径で選ぶ
ホースを購入するさいにもっとも重要なポイントはサイズです。ホースのサイズには内径と外径があり適合サイズが違ってきます。散水用などに使用する一般のホースなどには、適合サイズにある程度の幅を持たせてあることが普通です。各種工作機械などに組み込まれる内径2mmほどの極小のものから排気ダクトなどに用いられる内径100mmを超えるものまでさまざまな大きさのものがあります。
材質で選ぶ
一般家庭における散水用のホースなどでは気にする必要はありませんが、使用流体によっては、厳密にホースの素材を選ぶ必要があります。
ウレタン
施工性がよく、柔軟性・耐圧性能が高いことが特徴です。性質上カビが繁殖しづらく高温多湿の環境でも使用が可能です。空気配管用として広く流通しています。
エラストマー
軽く滑りやすい新素材で、ホースの取り回しが格段に上昇します。板金・整備・工具など幅広く使用されています。
オレフィン
耐熱性に優れ、折り曲げが自由自在な素材です。主に空調やスポットクーラーなどに利用されています。
ナイロン
耐圧、耐摩耗、耐候、耐寒と非常に優れた耐性を示す素材です。汎用性が高く加工しやすいため幅広い用途に適用できます。
フッ素樹脂
科学、医療現場、半導体などに使用されることが多いフッ素樹脂製のホースは、耐薬品性に富み使用温度範囲も広いことが特徴です。
ポリウレタン
エアーホースの素材として広く利用されています。柔軟性が優れているためコイルホースなどへの適用も容易で多くのバリエーションがあります。
ポリプロピレン
軽量で柔軟性に富んだ性質を持っています。主に空調、換気などに利用されていますが、食品添加物の規格基準に適合したものもあります。
塩化ビニール
耐圧・柔軟性に優れています。水・油・薬品・粉体・空気と適応範囲が広いことが特徴です。
合成ゴム
柔軟性に富んだ素材で空気用、油用などがあります。
ホースは、空気や液体といった取り扱いが難しい流体の収集や搬送に適したアイテムです。多くのラインナップが用意されていますが。素材や形状によって取り扱いが可能な流体が異なってきます。それぞれの特徴を把握することで、より効果的にホースを使うことができるのです。