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ハンドタップの種類

ハンドタップを使用したねじ切りは大変繊細な作業です。ひとつ間違えると、修正に時間がかかってしまうので、今回ハンドタップとはどのようなものなのかから、実際の使用方法まで細かくご紹介いたします。またハンドタップの使用にあたってのポイントなども解説していきます。 ハンドタップを正確に使用していくには経験が必要ですが、こちらの記事読んで、ねじ切り作業の参考にしてください。

ハンドタップとは

ハンドタップとは手作業で扱うタップであり、タップとは雌ネジにネジ溝を刻むための工具です。

ネジ穴を開けるものとイメージしていただければわかりやすいかもしれません。ネジ穴を開ける作業は、一般的にネジ切りと呼ばれています。

ネジ切りと言うと、雄ネジを切るイメージが湧くかもしれませんが、違います。ネジ切りはタップを立てるという言い方をすることもあります。 ネジ切りは非常に繊細な作業が要求され、力のかけ具合や、タップの入れ角度など慎重に行わなければ、簡単にタップが折れてしまい、タップ取り出すことが難しくなります。

ハンドタップ以外に旋盤でねじ切り加工を行う方法もあります。その場合はねじ切りバイトを使用します。このバイトには先端が60度の角度に仕上げられたチップが取り付けられており、ねじ切りバイトを使って、同じ位置を同じ距離(ピッチ)で、何度かに分けて切り込んでいきます。 このようにして削っていくと、ねじ穴が完成します。しかし旋盤でのねじ切りはかなり高度であり、操作を間違えると素材だけでなく旋盤やバイトなども破損させてしまいます。

ハンドタップの種類とそれぞれの特徴

タップには、先・中・上(1番・2番・3番)という種類分けがされています。

  • 番手:1
  • 食付き部の長さ(山数):9山
  • 用途
  • 先は、最初の工程で使用します。タップの先端に向けて傾斜が付けられ、先端が細くなっているものであります。ドリルで開けられた穴を簡単に加工でき、タップの歯が少ないために弱い力で切ることができます。食い付き部の長さが9山であるのが特徴です。

  • 番手:2
  • 食付き部の長さ(山数):5山
  • 用途
  • 中間工程で使用します。穴の途中までを加工するものであります。精度にこだわらなければ、通常これを使用します。食い付き部の長さが5山であるのが特徴です。

  • 番手:3
  • 食付き部の長さ(山数):1.5山
  • 用途
  • 仕上げ用途に使用します。タップの加工の最後に用いるもので、穴の底までを加工するものであります。また、食い付き部の長さが1.5山であるのが特徴です。

先・中・上三種セットとなっており、止まり穴の場合は必ずこのセットが必要です。抜け穴の場合は中のみで行うことも可能です。

ハンドタップの使い方

まず、ドリルで下穴をあけていきます。

下穴のサイズはしっかり守らないと、途中でタップが動かなくなりますので注意してください。また、下穴は必ず垂直にあけます。

下穴が完了すれば、いよいよハンドタップの出番です。

専用のハンドルにタップを固定し、潤滑油をしっかりと吹きかけながら、慎重に時計回りにネジを切っていきます。

この時、まっすぐタップを立てることを意識し、必要以上に力を入れないようにしてください。タップの折れる原因となります。折れたタップを取るのは至難の技です。作業は半周回して、半周戻すを繰り返し行っていきます。

ねじ切りの際のポイントをまとめると、

  • タップやダイスが材料に垂直に当たるようにして切り始める。
  • タップやダイスの中に切り屑が貯まらないように、少し時計回りに回し、また反時計回りに戻すという作業を繰り返す。
  • ねじを切るときには必ず切削油を塗る。
  • 作業は慎重に行う。

以上の4つが重要です。

ねじ切りをする際に意識すること

ねじは一般に部品と部品の接合に使用するもので、例えば板と板をつなぐ場合、一方にはねじ切り、もう一方にはねじの呼びよりも大きい穴を開けます。 ねじやボルトなどを通すために、外形よりやや大きくした穴のことを「バカ穴」と呼ぶことがあります。バカ穴が小さすぎるとねじが入らなくなったり、大きすぎると、ねじと材料の間に隙間ができ、ねじが正しく機能しなくなります。 そのため、適切な大きさのバカ穴が必要となります。目安としては、外径(ねじの呼び)より10%程度大きくするとよいでしょう。

また、タップやダイスを使って加工するねじは必ず曲がってしまいます。人間の手では、よほどでない限り、完全にまっすぐなねじを切ることは不可能に近いです。 機械部品を固定したり、組み立てる際にねじを使用する場合は、ねじを垂直にしようとするのではなく、部品の「面」を利用し、垂直な組み立てを目指しましょう。