散水ノズルの種類と選び方
散水ノズルとは
ホースの先端に取り付けることで、さまざまな形状の散水を行うことができるパーツのひとつです。噴射口を小さくすることで、通常の水道の5~10倍もの圧力を得ることができます。散水パターンによって、車両の汚れ落とし、花壇の水やり、路面の保水などさまざまな用途に使用することができます。
散水ノズルの種類と選び方
散水ノズルには、適合ホースサイズ、噴出パターン、ノズルの長さといった違いから選ぶことができます。自社の用途にあったものを選ぶことが大切ですが、多目的に使用できる散水ノズルを選ぶことで汎用性が高まります。
適合ホースサイズから選ぶ
散水ノズルは適合ホースサイズから選ぶことができます。適合ホースサイズには、内径と外径があります。いわゆる標準サイズとよばれるホースのサイズは、内径が12~15mm、外径が21mmまでのものを指します。とくに内径が合わないと、水漏れやホースの破損につながりますから、自社で使用しているホースがある場合は、適合しているサイズの散水ノズルを選ぶ必要があります。
噴出パターンから選ぶ
散水ノズルは、噴出パターンから選ぶことができます。噴出パターンには、センター、シャワー、ジョロなどさまざまなものがあるほか、1台の散水ノズルで複数の噴出パターンを切り替えて使用できるタイプのものもあります。使用環境に合わせて選ぶようにしましょう。
センター
中央に散水用開口部が1箇所あり、ある程度の水圧をかけて水量調整をしながら散水できるタイプです。基本的にはどの散水ノズルにも備わっている散水方式になります。
シャワー
多数の噴射口からシャワーのように散水するタイプです。手元のスイッチで複数の噴射パターンを切り替えられるものが多いことが特長です。ジェットなどと使い分けると側溝の清掃などにも対応できます。
ジョロ
花壇や植木などの水やりに適した、弱い水圧の噴射パターンです。社屋や工場付近の園芸関連施設などの水やりに最適です。また、コントロールしやすいため、人通りがある場所での散水にも適しています。
ストレート・ジェット
高い水圧が特長のジェットは、社用車のタイヤやホイールの汚れ落としに適しています。噴射口を小さくすることで圧力を高めていますから、水道代の節約にもつながります。
広角・拡散(コーン)
広角に散水できるパターンです。屋外駐車場やグラウンドなど広い場所での散水に適しています。
霧状
いわゆるミストです。霧のような細かい水滴で散水します。社屋などにある花壇などの園芸施設の植物への水やり、広範への散水に適していますが、風などで流されやすいこともあり、人の往来が多い場所での使用には注意が必要です。
ノズルの形状から選ぶ
散水ノズルは、ノズルの形状からピストル型・ストレート型・ロング型に分類することができます。それぞれ用途が違いますから、使用環境に合わせて選ぶといいでしょう。

ピストル型
オーソドックスな散水ノズルで、もっとも広く流通しているタイプです。引き金を引くことで放水、離すと停止します。手元のダイヤルやスイッチなどで複数の噴射パターンを切り替えるタイプが多いことも特徴です。汎用性が高く、ピストル型1台で多くの場所で利用できます。

ストレート型
真っ直ぐな形状の散水ノズルです。握りやすく、ヘッド部を回すことでパターンの変更や止水が可能なものや、ジョロのような形をしたシンプルな機能のものがあります。

ロング型
本体から噴射口まで1メートルほどある散水ノズルです。2階部分の外壁や窓、車両のタイヤや底など、姿勢を変えることなく散水できますが、使い勝手、汎用性の高さから考えるとピストル型の方が人気があります。
材質から選ぶ
散水ノズルには、本体がプラスチックや樹脂で作られたものと金属製のものがあります。

プラスチック・樹脂製
一般的に使用されることが多く、軽くて取り回しが楽なのが特長です。プラスチック製の散水ノズルは、初期投資は比較的安価ですが、冬場にノズル内に残った水が凍結することによって不具合が起こることがあります。

金属製
金属製の散水ノズルは耐久性が高いことが特長です。金属である以上持ち手部分が外気温の影響を受けやすいので、手袋などを装着すると良いでしょう。落として破損してしまうリスクが低く、長く使えるのが望めることから、初期投資は若干高くなりますがコストパフォーマンス的にはすぐれています。
多目的に使用できる散水ノズルを1つ常備しておくことで、社用車の洗浄、敷地内への散水、外壁の清掃など多目的に利用することができます。使用目的に合った噴射パターンを選択することで時間効率もアップし、作業効率も高まるのです。