軸継手の種類とレバーカップリングの使い方
軸継手(カップリング)とは
カップリングは別名「軸継手」とも呼ばれています。自動車のモーターなどに使用されており、駆動軸と従動軸のように2つの異なる回転体を繋ぎ、動力を伝達する機械要素部品です。カップリングにはたわみが生じるようになっており、ミスアライメントを吸収して負担を軽減させることができます。また予期せぬ過負荷がかかった場合では、カップリングを破断させて、回転体間の連結を解除し、装置を保護することができます。
カップリングの大きな役割は、2つの動力体をつなぎ合わせ、モーターの動力を従動軸に伝達することになります。そして駆動軸と従動軸の軸心がずれることをミスアライメントと呼びますが、振動や騒音・磨耗などの原因となるため、あらかじめ被害を最小限に食い止めなければなりません。とはいえ、ミスアライメントを完全になくすことはできないため、カップリングを利用してミスアライメントを許容する役割も持たせているのです。
カップリングの種類
フランジ形軸継手を使って「カップリングするもの」と「カップリングを使うもの」は、形状別でいくつかのタイプに分けられます。
- オルダムタイプ
- 偏芯(ミスアライメント)や偏角を許容します。分解可能であり、組み立てが簡単です。高速回転には不向きだといわれています。
- スリットタイプ
- スリットが入ることで、ミスアライメント(芯ずれ)を許容します。回転精度を保ちたいときには適したタイプです。
- リジットタイプ
- たわみ性がなく、ねじり剛性が高いタイプです。慣性モーメント(回転しにくさ)を抑えることができます。
- ディスクタイプ
- バックラッシュがなく、高速回転にも対応しています。シンプル構造で、取外しが容易です。
- ユニバーサルジョイント
- 軸同士に距離や角度がある場合に使用されます。
カップリングの選定方法と連携方法の種類
カップリングは、カップリングの許容トルクが、軸に対するトルクを上回るように選定します。さらに軸との固定方法に、より適したものを選んだほうが無難です。締結方法にも種類がありますが、たとえばもっとも一般的なセットスクリュータイプは、カップリングが通っている軸をねじで止めて使います。スプリットタイプは、カップリング自体をねじで締結し軸固定できる上、分解可能なので取付け・取外しも容易です。クランピングタイプは、ねじの締め付けが軸穴を小さくさせるので、軸を固定した状態での取付け・取外しが容易となっています。ほかにもトルク変動や回転角度の精度、軸の位置精度なども考慮する必要があるために、その用途に応じて使い分けましょう。

レバーカップリングの使い方
工場設備などで使用されているホース、フランジには取付け金具が必要となります。そこで活用したいのが、レバー式の継手であるレバーカップリングです。レバーカップリングはレバーロック、カムロックとも呼ばれており、タンクローリーやパン工場、製麺工場などの食品工場などでもよく使われています。
レバーカップリングの着脱には、さほど難しい方法を用いりません。取り付ける場合には、アダプターをカプラーに差し込み、両側のカムレバーを同時に押し下げ、本体にレバーが当たるまで押し下げれば取り付け完了です。取外しは、左右のレバーを同時に引き下げ、アダプターを引き抜くだけの作業となります。ただしアダプターとカプラーの他のサイズ感の相互性はありませんので(1/2、3/4は接続できます)、できるだけ同じサイズでご使用ください。たとえば呼び径1同士のアダプターとカプラーなどの組み合わせです。

カップリングは、2つの異なる回転体を接続したり、ミスアライメントの吸収をしたりする大切な役割を持ち、ホースの取付け金具としても活躍している部品です。ただし上記のようにカップリングにもさまざまな種類がありますので、用途に合わせて適した部品を選ぶようにしましょう。