オフィスでできる節電対策
そこで今回は「オフィスでできる節電」をテーマに節電対策をご紹介します。
大がかりな設備投資などしないで、継続して簡単に取り入れられるものばかりですのでぜひ参考にしてみてください。
意外と知らない電気消費の割合
まずは節電を考える前に、どの分野の電気消費が多いのかを知ることが大事です。
一般社団法人 省エネルギーセンターの調査によると、オフィス専有部門において消費される割合は、空調28%、照明40%、コンセント32%です。
オフィス専有部門におけるエネルギー消費割合
[出典]一般財団法人 省エネルギーセンター ウェブサイト
「オフィスビルの省エネルギー」 1.1オフィスビルの部門別エネルギー消費
空調機器(エアコン)の節電
家庭用エアコンでは、6畳用が2.2kW、8畳用が2.5kW等の表記を使用しますが、業務用エアコンでは、「馬力」という単位が使われています。1馬力は約2.8kWとされていてその能力は畳8畳分に相当します。しかしこの数値は冷暖房で統一された数値と考えるため、あくまでも目安として考えます。
エアコンの電気代は、1時間あたり「 消費電力(kW) x 電力料金単価(円) 」で大まかに求めることができます。
たとえば、冷房定格消費電力1.64kwの業務用エアコンを設置しているオフィスで、東京電力、契約種別「低圧電力」として仮定し計算してみます。
(電力料金単価:夏季17.37円/kWh、基本料金1,122.00円/kW ※2020年1月現在)
夏場10時間オフィスで電気を使用した場合の1日を計算してみましょう。
1.64kW x 17.37円 x 10時間 = 284.8円/日となります。
1日10時間20日オフィスを使用したとしてエアコンだけで約5,696円電気代が必要です。
同じタイプの業務用エアコンでも、例えば少し前に発売されて消費電力が高いものや、フィルターが詰まっているものは機能が落ちるため、もっと電気代がかかっていることになります。
※あくまでも参考値となります。基本料金は含めておらず、使用状況やエアコンの機能、使用期間、契約内容等の条件により結果も異なります。
空調機器(エアコン)を省エネで使うには
空調機器(エアコン)はつけっぱなしがおトク?
空調機器(エアコン)は設定温度にしようと起動時はかなりの電力を消費します。こまめに電源をオン・オフすると、逆に電気代が高くなってしまう場合もあります。日中であれば、不在時間が30分以内の場合は、つけっぱなしのほうがおトクになります。長時間の外出時は電源をオフすることをおすすめします。
温度設定に気を付ける
冷房時の設定温度を1℃高くすると約13%の消費電力の削減、暖房時の設定温度を1℃低くすると約10%の消費電力の削減がされると言います。環境省では、冷房時は28℃、暖房時は20℃を室温の目安に推奨しています。
(出典:環境省ホームページ 「オフィスでできる節電アクションーエアコンで節電!」)
残熱利用で運転時間の短縮
空調は停止後もまだ残熱による冷気や暖気があるため、早めに切ることで消費電力を削減できます。退社時刻より30分早めに空調を停止してみましょう。
自動運転にする
自動運転にすれば、自動的に最適な方法かつ短時間で室温を設定温度にしてくれるので、省エネになります。
窓周辺もひと工夫
冬期は自然光を採り入れるなど、温度管理を工夫しましょう。また、夏にはグリーンカーテンやすだれで涼しく、冬は断熱シートや布地の厚いカーテンで、窓から入りこんでくる冷気をシャットアウトし、かつ温めた部屋の空気を外に逃がしません。
グリーンカーテン
ロールスクリーン
そのほか、冷暖房効率を上げて省エネで使う方法についてはこちらもご参照ください。
コンセントでも節電!
機器をこまめにON/OFFする
パソコンなどのOA機器は、マイクロソフトの調査によると、90分以上使わない時に電源を切れば節電になるようです。パソコンは起動時やシャットダウン時に多くの電力を使うため、90分未満であれば、スリープモードの方が節電になります。
また、使用時間自体を削減するよう意識することも大切です。
- (参考) 使用時間を1日1時間減らした場合の年間の省エネ効果
- デスクトップ型 電気31.57kWh CO2削減量13.0kg
- ノート型 電気5.48kWh CO2削減量2.3kg
※電力の排出係数0.413kg-CO2/kWhで試算
(出典:環境省ホームページ「オフィスでできる節電アクションー省エネ行動で節電!」)
コンセントを抜く
使用していない機器はコンセントを抜くようにすれば待機電力を減らすことができます。
ただし、都度コンセントを抜くストレスや、コンセントの頻繁な抜き差しによるプラグやケーブルの劣化を考えると、節約も長続きしません。そこで、スイッチのオンオフで簡単に切り替えできる節電タップをおすすめします。
6個口タイプ
1個口タイプ
ペーパーレス化の推進
紙の資料からデータに移行すれば、コピー機やプリンターの稼働時間も減らせ、紛失防止や業務の効率化を図れます。紙代やインク代を節約できるだけでなく、保管場所も省スペース化できて一石二鳥です。
データはUSBメモリやSDカード、CD-Rなどでコンパクトに記録・保管できます。
共有スペースはみんなで節電!
廊下・エレベーター
- 2・3階程度の移動には階段を利用し、過度なエレベーターの利用を控える
- エントランス、廊下、応接室などの電灯は、支障がない程度に点灯時間の短縮や間引き点灯をする
下図のようなステッカーを貼ってオフィス全体で節電を心がけるとよいでしょう。
省エネルギー推進ステッカー
休憩室、給湯室
- 自販機をタイマー制御で夜間は停止する
- 電子レンジ等は消費電力が大きいため使用を控える
- 電気ポットの保温機能は意外と電気を使うため、使いきる量だけを沸かす
- 過剰な換気をやめる
トイレ
- 温水洗浄便座のふたは、使用していない時は常時閉める
ふたを閉める省エネ効果は大きく、1日あたり約15%の消費電力削減効果があるといわれています。ふたが開いている場合は、便座表面温度も低くなります。 - 温水洗浄便座の便座部の温度設定を節電モードに設定する
- 過剰な換気をやめる
照明による節電
照明器具でも節電が可能です。詳しくはこちらをご参照ください。

さて、オフィスでの節電対策をご紹介してきましたが、寒さ、暑さ、不便さを我慢する節電では作業効率も下がり、ストレスも増加してしまい長続きしません。無理のない範囲で取り組んでみましょう。
また、確実なコストダウンには電力会社の見直しをすることもおすすめです。
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